エンパイア東方

最果て山脈:The World’s Edge Mountains

最果て山脈は、エンパイアの東方国境をなす険しく危険に満ちた山なみである。
この強力な防壁には、ドワーフのトンネル網や、オークの洞窟、スケイブンの群棲地が存在する。

カラク=アズガルは、最果て山脈の奥深くに古くからあるドワーフ要塞都市であり、長年にわたってモンスターや害獣の襲撃を受けてきた。
多くの冒険者が、太古の財宝や失われた世襲財産を求めてこの巨大なダンジョンに分け入っており、ドワーフに依頼されてやってくる者も少なくない。

また、最果て山脈の峰々の合間には「大蛇の女王の巣穴」があると言われている。
この強力な女王が高峰の岩肌を削って宮殿をつくり、蛇人間の軍勢を支配する宮廷をひらいたとする噂は根強い。

 

ダークランド:The Dark lands

吹きさらしの平原や嵐の猛威に見舞われた丘陵があるばかりの荒れた雑草しか生えないこの呪われた荒野で暮らすのは、滅亡した王国のしおれた亡霊か、恐るべきモンスターくらいのものである。

ありとあらゆるクリチャーがダークランドをうろついており、オーク、ゴブリン、ラッ卜マン(スケイブン)はもとより、穢らわしい混沌の生物や、ほとんど未知の存在までがある。

とうてい理解しがたい話ではあるが、混沌を信奉するドワーフの王国がこのダークランドの北辺にあるという噂は根強い。

ダークランドで有名なのは、「ゴルゴスの塔」である。
巨大な鉄の城塞であるこの塔は、地方の中心地に、周囲数マイルを圧してそびえ立っている。
この塔に誰が住んでいるのかをはっきりと知る者はないが、採鉱や鍛造の物音が絶え間なく壁の奥から聞こえてきて、塔の先端からは黒煙が吐き出されている。

 

オウガ・キングダム:The Ogre Kingdoms

荒れ果てた平原に低い丘がつらなるばかりのダークランドを越えると、ふたたび険山の壁が立ちはだかる。

悲嘆山脈と呼ばれるこの山並みに、オウガ・キングダムが存在する。
ただし、キングダムという言葉に驅されてはならない。
貪欲な大兵肥満のオウガたちは、旅行者に礼儀正しく応対することもあるが、旅行者を単に食料としてしか見ていない可能性も高いのだ。
大量の食物や黄金を贈ること(しかもほとんどの場合は前者)によってのみ、彼らの領域を通り抜けることが可能になる。

悲嘆山脈で、旅行者の興味を引くものとしては、謎につつまれた「天空龍の僧兵の寺院」がある。
古代以来の強力な教団である「天空龍の僧兵」は、素手戦闘の達人ぞろいだ。
戦士たちはときに、修行のためにこの寺院を訪れる。
しかし、教団の厳格な要求基準に見合う者はごく稀であるうえに、そもそも教団員との最初の遭遇を生き延びることからして難しいのだ。

 

東の果て;The Far East
オールド・ワールド人たちが一般に「東の果て」と称するのは、インドゥア、キャセイ、ニッポンであり、 驚異と畏敬に彩られた空想物語の宝庫である。
それらの国々から持ち帰られた、美麗さと匠の技で名高い舶来の品々もまた、物語に彩を添えている。
しかし現実には、それらの国々も危険さや残酷さではオールド・ワールドの国々となんら変わらない。
特異な文化を考えたなら、異国の旅行者にとってはなおさら危険だといえるだろう。

 

インドゥア:Ind

東方の三ヵ国のうち、最も近くにあるのがインドゥアである。
信仰心の深い土地柄であり、この国の民が従容として旅行者を迎え入れるさまは奇異にすら思えるかもしれないが、何のことはなく、それが彼らなりの日常の恐怖に対処するやり方であるに過ぎないわけで、何も意図的に旅行者の目をこの国に潜む危険からそらせようとしているわけではない。

この国には世界中から香辛料商人が集まってきて、稀少で高価な薬草をわれ先に買い求めるわけであるが、この国の民の習慣には、いささか理解に苦しむこともあるかもしれない。
橋を間違った向きに渡るだとか、肉を食するだとかのほんの些細なことに住民が怒りだし、わけが分からずにうろたえるばかりの旅行者に報復行為をなすことがあるのだ。

インドゥアの神々もまた混乱を招くもので、旅行者としてはただ、現地人たちか鼠や鼬の神に祈りを捧げるさまに礼儀正しく笑みを浮かべ、頭を垂れつつ、シグマーがその気になりさえすれば、この者どもを粉砕するなどいとも容易いのだと腹の中で考えて溜飲を下げるべきなのだと言われている。

“虎の目”は、インドゥアのシャンバニ山の頂近くにある深い洞窟である。“シンバの失われし石”がその中にあると噂されるが、ここにはベンガルという虎頭のビース卜マン部族が棲みついている。

 

大キャセイ:Grand Cathay

東方世界最大の帝国である大キャセイは、広大な国土に大山脈から緑の草原、密生林までを擁する。
強大なこの帝国は数多くの“省”からなっており、省ごとに割拠する総督を、皇帝がひとつにまとめ上げている。
戦乱の絶えない土地柄でもあり、総督たちは皇帝の寵愛を得たい一心で他省への越境攻撃を繰り返している。

それほどに強大な国家ではありながら、エンパイアの学者にとってキャセイは謎多き国であり、現地に足を踏み入れた者にとってさえも、この国の広さや国力の大きさは謎につつまれたままである。

大キャセイの不思議といえばウェイジン(Weijin)、龍帝の玉座を戴く帝国の首都である。
世界最大とも噂されるこの都市には、“桃源園”や“双月寺院”などの謎めいた地点が存在し、不可解な河川である“魄江(River of Souls)”は、地下世界へとつながっているとい
われている。

 

ニッポン:Nippon

大陸東端の沖のどこかにあるニッポンは強力な封建王国であり、漆塗りの木でできた鮮やかな鎧を着た騎士たちが、複雑かつ厳格な階級制度をなしていると噂される。
異人への警戒心が強いとのことで、外国人がこの国を旅することが認められるのはきわめて稀である。

ニッポンについては、それ以上のことはほとんど知られていないが、言うまでもなく、外の世界がどうあろうと、この国には固有種の恐るべきモンスターやその他の危険がはびこり続けるのだ。

 

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