狂気の治療

オールド•ワールドでは、狂気が治療されることはあまりない。
患者はふつう、狂人の館に押し込められ、欠乏と蛮行が支配する絶望の人生を送ることを余儀なくされる。
狂気を改善させる方法は幾つかあるが、広く利用できるものはひとつもない。
なお、実際にディーモンに精神を占有される狂気は、言うまでもなく魔法によってしか治療できない。

外科手術による治療

第一の方法は、外科手術である。
これはきわめて粗雑で実験的なやり方である上に、患者にとって危険きわまりない。
外科手術を試みるためだけでも、執刀医は〈負傷治療〉技能と《手術》異能をもっていなけ
ればならない。
手術は1d10時間を要し、その時間が経過した時点で、〈負傷治療〉技能テストを行なわねばならない。
テストの難易度は、「手強い」、「困難」、「超困難」のいずれかで、外科医が何を成し遂げようとするのかによる。
実際に精神障害を完治させたいなら、「超困難」である。
難易度とテスト成功時の効果の関係は、下記の表「狂気の外科手術」を参照する。
この種の外科手術は、患者の【耐久力】を必ず0点に低下させる(なんといっても脳の手術なのだから!)。
手術が終わった時点から、通常の治癒のプロセスが始まる。
テストに失敗したなら、難易度にはかかわりなく、GMは「しくじった手術」を参照して結果をロールによって導き出さねばならない。

狂気の外科手術

難易度 テスト成功の結果
手強い 患者の【狂気点】を1点解消できた。
困難 患者の【狂気点】を1d10点解消できた。
超困難 患者は1種類の精神障害から完治する。

しくじった手術

ロール 結果
01~20 大偉業!:手術の効果はなかったが、患者を無駄に傷つけることもなかった。
21~40 大丈夫、痛くないよ:患者は1d10点の【狂気点】を獲得する。
41~60 やべぇ!:不運な患者は【知力】を1d10ポイント永続的に失う。
61~80 暴れるなじっとしてろ!:患者は【頑健力】テストに失敗すると激しい痛みのせいでのたうち回るため、メスが逸れて死亡する。
テストに成功し生き延びていたとしても、【知力】を1d10点永続的に失い、【狂気点】を1d10点獲得する。
81~00 手は尽くしたが…:患者は手術台の上でおびただしい量の出血に濡れ、出血性ショックにより死亡する。

薬物による治療

薬草や科学調合物では、じっさいには狂気を治療できない。
よくて、短期間狂気を抑えられるだけなのだ。
しかも、精神に作用する薬物は、当たりと外れのどちらかしかない。
患者に合わせて特別に処方された薬でなければ、狂気への望ましい薬効は期待できない。
薬の調合には、「商売道具(薬師)」と、金貨2d10枚の価傾がある材料を用意したうえで、1d10時間を要する。
「超困難」 (-30%)の難易度で〈職能:薬師〉のテストに成功したなら、薬はうまく働き、キャラクターの狂気を1週間抑えられる。
テストが失敗だったなら、調合に失敗して薬は有害だったことになる。
GMは、下記の表「いんちき薬」と照合して、それが飲んだ者にどんな悪影響を与えたのかを決定する。
薬を調合した者は、つねにうまくやったつもりでいるが、表の結果は、そうではないことを示している。

いんちき薬

ロール 結果
01~20 確かな良薬:薬にはなんの薬効もなく、薬師はそれを知っている。
21~40 テンション上げようぜ!:薬としての薬効はないが、アルコール飲料として作用するため、アルコールの効果を参照。
41~60 眠気に注意:服用した者は1d10時間に渡って、昏睡状態に陥る。
61~80 水銀チンキ:服用した者は【狂気点】を1点獲得する。
81~00 粛清剤:薬は毒である。服用した者は【頑健力】テストに失敗すると、【頑+】に関わりなく1d10点の【耐久力】を失う(ダメージ扱いなので、回復はできる)。

魔法による治療

狂気の治療に使える呪文が幾つかあり、最も顕著なのは、シャリア系呪文の『狂気治癒』だが、金属の魔法体系の『惑乱の境地変成』も手助けになるだろう(あるいは逆効果に!)。
魔法による治療にともなう大きな問題点は、副作用にあるのではなく、呪文をかけられるだけの強力な人物を見つけだすことの困難さにある。
エンパイア中を探しても、これほどの魔法を使えるまでに強力な司祭や魔術師は、数えるほどしかいない。
彼らを探し出して説得することだけで、独立した冒険になりえるほどだ。

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