貴族子弟 Scion

領内の2つ村で祭りがあるというので父上と私は、北側の寂れた村に来ている。
南側の賑やかな村は人数も多く、食事やダンスなどいろいろと楽しい催しが期待できるので、私としては南側の村に行きたかったのだが、そちらの村には上の2人の兄たちが行くことなった。
父上は、挨拶だけ済ませてすぐに城に戻りたいために、三男の私を連れてどうでもいい村の方に来賓として行くことに決めたのだ。

村に着くと、村人たちが総出で父上を迎えるが、どいつもこいつも汚い年寄りと薄汚れた中年男女しかいない。
祭りの会場の一番上座のテーブルにつくと、数少ない村娘たちが父上と私のテーブルに食事を運び、ワインを注いでくれる。
「なんだ、そこそこ年頃の女もいるじゃないか」と、心の中で退屈な祭りの中で村娘を物色する楽しみができたことに少し楽しみを見出した。
数少ない村娘だが、エレザという娘は美しくてつい、見入ってしまう。

そこへダナという薬草採りの娘が私の横へ来て、蒸留酒に薬草などでスパイスを利かせたという珍しい酒を持ってきた。
一口目は苦い薬のような味だが、癖になる味わいで、すぐに二口目が欲しくなる。
父上に取り上げられては勿体ないので、ダナに頼んでこっそり下げてもらい、帰りにボトルを貰うように手配した。
ダナは気さくな娘で、貴族の私にも物怖じせず楽しい話を聞かせてくれた。
彼女の話に引き込まれて、ダナとダンスを踊り、浴びるように酒を飲みながら楽しいひと時を過ごし、気が付くと朝になっていた。
村の宿屋に泊まったらしく、隣にはダナが眠っていた。
父上は昨晩、私を置いて帰ったらしく、重たい二日酔いの頭を無理やり起こして、城に帰ることにした。
帰り際にダナが、昨日の酒のボトルを2瓶くれた。

今夜もダナとの一夜を思い出しながら、この酒を飲もう。

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