・・・続き
【GM】
一方、神殿での鑑定組みはシグマーの神殿へ向かう。
シグマー神殿はこの街のシンボルみたいな物なので、一発でわかる。
神殿は礼拝所に進むための大通りの突き当たりにあり、礼拝所の手前、脇の方に小屋が立っていて、ここが鑑定所のようだ。
鑑定所の前には数人の列が出来ている。
【エリーズ】
では、お行儀よく最後尾に並ぶズラ。
【ピョートル】
どうせ前のやつらは大した物持って無いだろうからすぐ順番は来るよ。
【ウルフガング】
俺たちの聖遺物だって、もしベルンハルデの元カレが騙されてたら、ただの「布きれ」なんだぜ。
【ピョートル】
おっ、順番のようだ。
【GM】
鑑定所にはスキンヘッドで眉毛の無いのやたらガタイのいい司祭が座っている。
【司祭】
シグマー神殿へようこそ。
今日は我が教会にどのような御用かな。
【ピョートル】
仲間を生き返らせる。
【ウルフガング】
呪いを解く。
【エリーズ】
毒の治療。
【司祭】
うおっほん!・・・。
真面目にお願いしたい。
確かにドラ○エの教会と同じ台詞だが、ここはぐっと我慢して、真面目に通して欲しかった・・・。
鑑定して欲しい物はなにかね?
5sの寄付をお願いします。
【ピョートル】
5s払って。
これです。
【GM】
司祭は差し出された聖遺物入れを受け取り、中を凝視している。
ムムムッ・・・・これは!
ただの「布きれ」かもしれないが、万が一があってはいけないので、しばし時間をいただけませんか?
司祭長を呼んで来ます。
【ピョートル】
ああ、いいですけど・・・ホントにこの人鑑識眼あるの?
【司祭】
それでは・・・ピュー。
【GM】
司祭が席を外して5分程して、奥からスキンヘッドにメガネとチョビヒゲのマッチョな司祭長が現れる。
【司祭長】
どれどれ・・・これですな。
フムフム・・・この聖遺物入れはいい仕事してますね~。
なんといっても、内側に隙間無く貼られた鉛の板がすばらしい・・・って、危なーい!
君たちなんて物を持ち込んでくれたんだ!
【GM】
そう言うなり、すぐさま聖遺物入れの蓋を閉めて汚いものを触るような手つきでピョートルに返す。
【ピョートル】
で、鑑定結果は?
【司祭長】
これは聖遺物とは真逆の物だよ。
とにかく危険すぎる代物だ。
ここではなんなので、神殿の奥へどうぞ。
【GM】
そう言うと司祭長は神殿の奥へPCを促す。
【ウルフガング】
ではノコノコと付いていきます。
【GM】
神殿の奥の客室は質素だが、掃除と手入れが行き届いた居心地のよい部屋だ。
司祭長は、PCに茶を出し聖遺物の正体について説明を始める。
【司祭長】
これは、先の混沌の嵐の際に敗走した混沌軍の総大将「アーケイオン」のマントの切れ端だと思われる。
一見布のように見える繊維はかつて混沌共が虐殺したドワーフ族のひげだ。
一部、新しい血痕が付着していたので、その点がマニアにとっては残念なところだ。
【エリーズ】
な○でも鑑定団はいいからまじめにお願いしたいズラ。
【司祭長】
スマン、スマン。
キャラ的にやっとかないと終われなくて。
で、この切れ端をはじめ数々の混沌遺物が世の中には点在する。
そして、我々の情報網を駆使し集めた情報によると、次の混沌の嵐を起こすために混沌の信徒達は血眼になって混沌遺物の回収を行なっているという。
そう、アーケイオンの復活の為に必要な素材なのだそうだ。
【ベルンハルデ】
それで、話が繋がりますわ。
【ピョートル】
居たの!?
【エリーズ】
ヒロインのくせに存在感ないズラ。
【ウルフガング】
まあまあ。
【司祭長】
では、この混沌異物はお嬢さんの物だと?
手に入れた経緯を詳しくお聞かせ願えないか?
【ベルンハルデ】
はい、この方達と出会う前は私はただのか弱い町娘でした。
この方たちと出会ってからはカクカクシカジカ(リプレイ前文参照)・・・。
この方たちと出会うほんの一ヶ月程前の事です。
私の住んでいた町に不吉な軍勢が攻めて来るということで、父をはじめシグマー司祭のフォルナート様も町の防衛戦へと出ていかれました。
しかし、混沌の軍勢の力の前にフォルナート様も父も戦死いたしました。
偶然ですが、フォルナート様の最後に立ち会うことができたのですが、死に際にフォルナート様はこの聖遺物入れを私に託しました。
マリエンブルグのフーゴというシグマー司祭様に届けて欲しいと。
あっ、最後には愛していたと・・・ポッ(赤面)。
【ピョートル】
フォルナート司祭はベルンハルデの元カレなんすよ。
「元」カレね。
【司祭長】
それはそれは・・・お若いのに残酷な運命を背負っておられる。
しかし、貴女のフォルナート司祭の判断は間違いではありませんぞ。
マリエンブルグのフーゴ司祭とは元魔狩人からの叩き上げの司祭長で、彼の元に混沌遺物を届ければアーケイオン復活の可能性は激減するでしょう。
実は、すでに幾つかの混沌遺物はそのフーゴ司祭長に届けるべくアルトドルフを出発しているのです。
次の混沌の嵐が起きれば、このアルトドルフも安泰ではありますまい。
そこで、シグマー神殿はマリエンブルグにフーゴ司祭長を派遣して、混沌遺物の処理に当たらせたのです。
最も混沌の軍勢の侵攻ルートから遠い街で。
【ベルンハルデ】
では、ここでシグマー神殿へこれを預ければマリエンブルグまで、無事届けて頂けるのですね。
【司祭長】
それがそうでは無いのだよ。
シグマー神殿の司祭も先の混沌の嵐で人員不足な上にいかに屈強な我らがシグマー神官でも、無事に届けられる確率は五分五分・・・いや、六四・・・いや、それは低すぎるな・・・七三だ。
30%くらいの確率で失敗だってするのだよ。
聞けば、君たちはケイオスチャンピオンをも倒すほどの凄腕だというではないか?
これは、シグマー神殿からの依頼として仕事を引き受けて欲しいのだが。
その混沌遺物をフーゴ司祭長の下に届けてほしい。
無事に届けられれば報酬は神殿から20000gcだ!
この報酬には道中混沌の軍勢に狙われるということも示唆している。
それだけ重要かつ危険な任務という意味合いだ。
【エリーズ】
でも、私たちは魔狩人に追われる身分ズラ。
【ウルフガング】
バカ!ここでそんなこと言ったら俺たちがお尋ね者だとばれるじゃねえか!
【司祭長】
ふふふ。
そんなことは最初から判ってましたよ。
私を呼びに来た司祭は鑑定が出来なかったのではなく、君たちをどうするか指示を仰ぎに来たのです。
依頼を受けて頂けるなら、魔狩人達の追跡命令は解除し、逆に混沌や魔女との戦いにおいて加勢してもらうための任務証明書も発行しましょう。
【ピョートル】
乗ったぁ~!
どうせ混沌に追われるのはこのGMなら依頼を受けようが受けまいが変わらない。
それなら魔狩人が追跡解除どころか加勢までしてくれて、2万gc貰えるならいいことだらけだ。
【ウルフガング】
PL発言入ってるってば。
【エリーズ】
きっと、アデルベルトもリンダラも同意見ズラよ。
【GM】
かくして、勝手に依頼を受けたピョートル・エリーズ・ウルフガングは意気揚々と皆の待つ船へ引き返すのでした。
・・・続く
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