・・・続き
【GM】
甲板にはロープで「す巻き」にされた、ずぶ濡れの太ったハーフリングが引き上げられた。
【ウルフガング】
そもそも、ハーフリングは混沌の影響を受け難いはずなのに。
どうしてこんなことに。
【ピョートル】
物事には必ず、例外というものがつきまとう。
コイツもそれの一つだろう。
【エリーズ】
でも、見た目は全然普通ズラ。
スラーネッシュだったら、手がカニのハサミみたいになってるかと思ったズラ。
【アデルベルト】
見た目はミュータントで心は人間という事例もある。
逆もまた、しかりで・・・。
で、そのへんどうなのよ?
ファットボーイ。
【ファットボーイ】
はい、実は私も博士もスラーネッシュ教団に心を売った「フリ」をしているのです。
【ピョートル】
おいおい、心を売った「フリ」の割には、全力でワールウインド号に体当たりしてくれたじゃないの。
【エリーズ】
そうズラ!
この船には子供だって乗っているズラ。
【ウルフガング】
まあまあ、とりあえず話しは最後まで聞いて判断しよう。
【ファットボーイ】
ありがとうございます。
実は、あなた方とはぐれた後、博士の発明に興味を示す貴族の方が現れました。
しかし、その貴族はいかつい体格に長い睫毛、白い化粧に薄っすら浮いた青いヒゲ・・・そう、明らかにスラーネッシュ教団の人でした。
その貴族は、博士のパトロンとして資金を提供する代わりに兵器を開発して欲しいと持ちかけました。
博士は最初断固として拒否していましたが、何度も接待を受けるうちに貴族の申し出を受けると決意しました。
【アデルベルト】
そりゃぁスラーネッシュに飲まれたんじゃねぇの?
【ファットボーイ】
はい、私も最初はそう思いました。
しかしその後、博士は私だけに計画を教えてくれました。
それは、スラーネッシュの資金を利用して兵器の研究開発をし、完成したらアルトドルフ軍に駆け込み、来るべき第二次「混沌の嵐」の人間側兵器として利用する・・・というものでした。
兵器というのは、30フィートくらいのパッチワークゴーレムで、一個中隊くらいなら一体で片付けてしまうほどの物でした。
長年、研究していた雷を利用したエレメントの成果もあって、ボディとエネルギーの作成には成功しました。
しかし、ゴーレムは起動せず、機動させるには、混沌の何かパワーが必要だということまで突きとめました。
ワープストーンや生身のミュータント、ケイオススポーンなど様々な物を試しましたが全部ダメでした。
そんな時、貴族のパトロンから「混沌遺物」の存在を知らされます。
そして、博士は「混沌遺物」を奪取する為にスラーネッシュ9-1を編成、魔改造して任務を与えたのです。
【ピョートル】
そしたら襲った相手がたまたま我々だったと。
【ウルフガング】
よく解った・・・お前の話が胡散臭いことが死ぬほど良く解った。
【エリーズ】
だいたい、スラーネッシュ9-1とか名前がダサすぎずら。
くのいちってこと?
ただのキャ○ツアイだったズラ。
【ピョートル】
まあ、とにかく博士んとこに確認に行くか。
【アデルベルト】
・・・・・
【ウルフガング】
それがいい。
その、パッチワークゴーレムがキャンペーンのラスボスなら相手に不足は無いし。
【エリーズ】
PL発言ズラ。
でも、博士の所に行って真相を確かめるのは賛成ズラ。
一番最初のシナリオの報酬もいただくズラ。
【ピョートル】
おっ、そうだそうだ。
すっかり忘れてた。
【ウルフガング】
報酬を踏み倒すとは、ますます胡散臭い。
【アデルベルト】
・・・・・・
【ピョートル】
どうした?
アデルベルト妙に口数が少ないが?
【ウルフガング】
何もいえないほど、怒っているのか?
そうだよな。
あの、命がけのナルンの脱出からしばらく金欠で苦しかったもんな。
【アデルベルト】
・・・・・・
【エリーズ】
アデルベルトもなんか言ってやるズラ。
この、詐欺師の助手!
【アデルベルト】
・・・・・・・・・・・・・・・
【ファットボーイ】
えっ、報酬はちゃんと払っ・・・
【アデルベルト】
ゴメンナサイ!!
・・・続く。
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