ポーション

ポーションは、魔法と自然物質の効能の両方が吹き込まれた飲み物である。
ポーションがドラフトと異なるのは、ドラフトが一般的な手法を用いて混合する事ができるのに対し、ポーションの調合には魔法の力が必要とされる点である。
ポーションは使用される際、服用者にいくらかの恩恵を与えるよう意図されて造られている。
しかしその素材の多くは不安定な物質で、またオールド・ワールドの保存技術は中世レベルであるため、ポーションはしばしば有害なものになり、時に悲惨な結果をもたらす。
そして、ほとんどのポーションは怪しげな臭いがするため、飲む前に悪くなっているかどう
かを識別する事は不可能である。

以下では、調合されたポーションが有害となる可能性とその場合の効果、ポーションの様々な性質、そしてキャラクターがそれらを調合する最のルールについて説明している。

ポーションの表向きの効果だけに目を奪われて、古く変質したポーションを飲んでしまわないよう気をつけたい。
ポーションは用法、用量を守って正しく使用したいものだ。

ポーションの目録

オールド・ワールドで広く知られているポーションを紹介する。
ポーション1瓶ごとのラベルには、「調合者、調合年、季節、調合の成功度合いなどの追加情報」が記載される。
例)【潜在力のドラフト-“悪臭の”ベルトルト作-2522年(冬)-(+2)】

各ポーションの説明は以下の書式で行なわれる。
・ポーション名:一般的な呼び名
・効果:ポーションの効用と副作用など
・吸収時間:ほとんどのポーションは遅効性なので、効果が現れるまでの目安時間
・不安定性:変質した際の悲惨さの度合い
・素材費用:大都市の市場で1瓶あたりの素材を購入する際に仕入れる原価
・素材生育地域:素材を集収する際の素材の在り処
・素材入手難度:適切な場所で1瓶分の素材を見つけられる難易度
・調合難易度:1瓶を調合するための難易度
・調合時間:1瓶を調合するためにかかる時間

ポーションの使用

ポ一ションの使用は簡単だ。
ただ飲めばよい。
君がそれを飲み込んだら、GMは下記の「ポーション変質確率」でロールを行なう。
この表では、ポーションが悪くなっている可能性を決定するためにポーションのラベルに記載される季節年齢(調合年と季節から割り出す)と、調合の成功の度合いを用いる。
GMはポーションが悪くなっているかどうか決定するためにロールを行ない、悪くなっていなければ、本来の効果を生じる。
悪くなっている場合、ロールは同時に、ポーションが完全に台無しになっているのか、変質しているもののまだ効果を有しているのかをも示す。

完全に台無しになった場合、何が起きるかを詳しく決定するためにGMは表「ポーション変質効果」でロールを行なう。
一方、変質した場合、ポーションは本来の効果があるものの、同時に表「ポーション変質効果」でロールして決定された変質効果をも及ぼす。
GMは、変質決定の段階では何が起きるかをプレイヤーに伝えるべきではなく、彼のキャラクターに変化が生じた時に、何が起きたかを伝えるように留意すること。
ポーションが効果を発揮するのか、内側から内臓を腐らせようとしているのかがわからない不安は反面、楽しみでもある！

ポーション変質確率

「成功度」はポーションを調合した際の成功の度合いである。
「季節年齡」はポーションが調合されてから何回の季節を経過しているかを示す。
スラッシュの左側数字はポーションが完全に台無しになっている可能性を示し、スラッシュの右側数字は変質しているもののまだ効果を有している可能性を示す。
両方の可能性は1回のダイス・ロールで判別される。
もしGMのロールが左の数字以下の場合はそのポーションは完全に台無しとなっており、右の数字以下の（そして左の数字以下ではない）場合はそのポーションは変質しているものの、まだ効果を有している。

ポーション変質効果

ポーション変質効果表に記載されている変質効果の具体的な症状は下記の表リンクを参照する。

ポーション変質効果表

ポーションの調合

ポーションの調合は、時間を要し、危険を伴い、高くつく可能性はあるが、工程自体は決して複雑なものではない。
キャラクターが必要な条件を満たしているならば、彼がすべきことはただ適切な素材を入手し、錬金術の研究所で必要なだけの時間を費やし、そして調合が成功したかどうかを決定するためにテス卜を行なうだけだ。

必要条件
ポーションの調合を試みるために、君は以下の要件を全て満たさなければならない。
・【魔力点】能力値を1点以上有していること。
・〈職能：薬師〉技能か、いずれかの分野の《秘術魔法体系》異能を有していること。
・〈読み書き〉技能を有していること。

加えて、君は錬金術の研究所を自由に使えなければならない。
そうした研究所で必要とされる装置や器材一式を購入するための費用は
・「粗悪」な研究所で80gc (調合テストに-10%のペナルテイ)
・「良質」な研究所で400gc (調合テストに関してボーナスもペナルティ)
・「最高」の研究所で1.000gc (調合テストに+10%のボーナス)

最後に、君は調合したいポーションのレシピを入手する必要がある。
レシピの入手は、しばしばポーションの作成の中で最も困難な部分となる。
所有者は油断なくそれらを守っているからだ。
ポーションのレシピには定価などといったものは存在しないため、価格は常に所有者との交
渉によって決定される。
しかしながら、1度レシピを入手できれば、写しを破られたり盗まれたりしない限り（ポーションのレシピは頭で記憶しておくにはあまりに長く、複雑すぎる）君は何度でもそのレシピを使用することができる。

素材
全ての必要条件が満たされたなら、次にポーションの様々な素材を集めなければならない。それには2つの方法がある。
1つは単純に、目録にある「素材費用」を支払って購入する方法だ。
この方法は大都市でのみ可能である。
多くの素材は希少なため、それより小規模な共同体では全く目にすることができないからだ。
2つ目の選択肢は、素材が自然発生している地域に赴き、1週間を費やして捜索と収穫を行なう方法だ。
そのためには「素材入手難度」による修正を加えた【知力】テストを行なう。
成功ならば必要な素材を収獲でき、失敗ならば収穫できないが、望むなら新たに1遇間を費やして再挑戦してもよい。
収穫に成功するか君が諦めるまで、捜索を続けることができる。

調合
素材を集めたら、1ヶ月以内に(素材はすぐに悪くなってしまう！)錬金術の研究所でポーションの調合を始めなければならない。
調合には「調合時間」に等しい期間が必要で、その間君は作業のために少なくとも各日6時間を捧げなくてはならない。
残りの時間は好きに過ごして構わない。

「調合時間」の終わりに、君は「調合難易度」による修正を加えた【知力】テストを行なう必要がある。
成功したならば、ポーションの全ての性質とともに調合の成功の度合いを記録し、さらに何服分のポーションが作成されたかを決めるために1d10/2(1～5)をロールすること。
失敗したならば、君は使い物になる成果を何1つ作成できず、その上、「調合による惨劇表」で、1d10+失敗の度合いの段階と等しいだけの値を加えてロールしなければならない。

1度の調合で複数の服用分が作成されたポーションに関して、GMには2つの選択肢がある。
単純な方法は、ポーションは服用する環境と服用者毎にそれそれ違った作用をもたらすと
想定して、服用する度に変質効果を判定するやり方である。
より興味深い方法は、作成時にポーションの各服用分についてそれぞれ個別に変質効果の記録をつけておくやり方だ。
ポーションが変質しているかどうか(完全に台無しになっているのか、変質しているもののまだ効果を有しているのか、変質していないのか)は、季節年齢を基準に決定される。
季節年齢の欄が次に進んで変質の度合いが再決定されるまで、ポーション1瓶の全ての服用分は自動的に同じ結果が適用される（そう、 変質したポーションが時の経過とともに本来の効果を取り戻すこともあるのだ！）。

「調合による惨劇表」の結果の多くは、 君の研究所に部分的な破壊をもたらす。
部分的な破壊は器材を損壊させ、交換するまでポーションの調合をできない状態にする。交換簧用は研究所の品質の基本価格に比例する。
例えば良質な研究所の25%を交換するためには、基本価格が400gcなので、100gcが必要となる。
君は安く済ますためにとりあえず低品質の器材で補充することもできるが、器材全てを元の品質の物に買い直すまで、 君の研究所の質は補充品の品質に低下してしまう。
例えば良質な研究所の設備の25%を粗悪な器材で補充した場合、費用は20gcだけで
済むが、いずれ君が研究所の品質を良質に戻したいと望むなら、先の20gcとは別に、まるまる100gcを支払わねばならない。

調合による惨劇

この表のロールに、調合テストにおける失敗の段階数分の値を加えることを忘れずに。

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