バンシー:Banshee

女殺人者か、ひどい凶悪犯罪を犯した女が死んだ後には、風の噂に、女の影が現世にとどまって生者をさいなみつづけると伝え聞くことがよくあるものだ。
巷説にいわく、バンシーの叫喚を耳にすることは、例外なく死の宣告を意味するという。
髑髏めいたバンシーの頭部の下には、ずたぼろのローブが垂れ下がった内側に、痩せさ
らばえた身体が時おり見え隠れする。
頭髪は黒い後光に見えたり、一万本もの縮れ毛に見えたりし、それに縁取られた顔は、苦悶の標本といっていい。
バンシーの後には、女として生きていたときに殺害した男たちの無力な霊魂が、そろそろとつき従うことがよくあり、ほの光る髑髏や男の顔として現れる霊魂たちは、バンシーにも劣ら
ぬ苦痛の表情をたたえているという。

バンシーは、敵を攻撃する際には、適切な物体の内部に身を潜めることで、気配を消す手法を多用する。
姿を隠したバンシーは、時おり身を乗りだし、物体から首をつき出して、あたりの様子を窺う。
そして目をつけた獲物が近づいてきたなら、躍り出て攻撃をかけるのだ。
より狡猾なバンシーなら、獲物を1人ずつ刈り取ろうと考え、仲間からはぐれた者や単独の斥候をまずしとめてから、パーティの残りを攻撃することもありえる。
ただし、ほとんどのバンシーは、憤激と憎悪が激しすぎるために、身を隠すことにかかずらって時間を無駄にするくらいなら、ただちに攻撃することを選ぶ。

技能：〈言語〉(どれか1つ)、〈察知〉 +20%、〈姿隠し〉+ 20%

異能：《アンデッド》、《エーテル状態》、《恐怖誘発》、《夜目》

特別ルール：
• 亡霊の叫喚：バンシーは1ラウンドに1回、半アクションとして、16ヤード(8マス)以内にいる敵手1体を目標に、不吉そのものの魂消える哀叫を浴びせられる。
バンシーと相手は対抗【意志力】テストを行なう。
相手が勝ったなら、何の影響もない。
一方バンシーが勝ったなら、相手は1d10点の【耐久力】を失い、その際【頑健力】ボーナスや鎧の効果は一切受けられない。
バンシーの叫喚で殺された者は、恐怖のあまりに絶命したかのような印象を与える。
「恐怖」と「恐慌」のテストを無視できるクリーチャーは、「亡霊の叫喚」の影響も受けない。
バンシーの叫喚でダメージを受けたが、生きながらえて恐怖体験を人に語れる立場となったキャラクターは、遭遇の最後に【意志力】テストを行い、失敗したなら1点の【狂気点】を獲得する。
生き残りの多くは、死すべき定めにあるのだと信じ込んでしまい、その考えを振り払うことができないのだ。

鎧：なし
アーマー・ポイント：頭部0、両腕0、胴体0、両脚0
武器：片手用武器

※《エーテル状態》の影響により、魔法の武器か呪文が使えない場合は、ダメージを与えることはできない。

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