混沌の嵐:Stome of Chaos

混沌の嵐について。

堕落の書:Tome of Corruptionより

嵐の発生

予期されていた攻撃は2521年に始まった。

ケイオス•ウォリアー(混沌の戦士)やディーモン、マローダー(略奪者)からなる巨大な軍
勢が、スルザ•レンクとアエルリック•シアンヴルフに率いられてキスレヴを攻撃し、勇敢な守備勢を粉砕するや、南進してエンパイアへと向かった。

そしてヴォルフェンブルグを壊滅させ、ホックランドの領邦軍を撃破し、さらに前進した。

エンパイアがそれを撃退できたのはマツホロドでのことで、敵を来た道沿いに追い返した。

オールド•ワールド人は一息つき、危機は去ったと感じたが、それは間違いだった。

レンクの軍は前衛に過ぎなかった。

シグマーの総大司教である“謹厳なる者”ヴォルクマールは、アーケィオンがエンパイアにとっていかに危険な存在であるかを見て取った。

そこで熱狂的なシグマーの信徒団をかき集めると、タラブへイムの選帝侯に掛け合ってさらなる援軍を引き出し、一大軍勢を結集することで、にわかに勢力を強めた敵軍総帥を打ち倒さんとした。

シグマ一教徒軍はアーケィオンの軍勢を迎え撃たんと、凍てつくキスレヴへと進軍する。

そして勇敢に戦いはしたが、アーケィオンは混沌の邪曲のエネルギーから力を得ており、猛然たる一激で総大司教を斃すと、帝国軍を一人一人殺戮して回った。

ヴォルクマールの死をうけて、 シグマー教団はヨハン・エスメルを総大司教に昇進させた。

だが、衆生の救済よりも政争に明け慕れるていたらくで、前任者には及びもつかない小人物だった。

ルーサー•フスはエスメルの仇敵であり、新たな総大司教を非難する運動の先頭に立っていた。

エスメルの方でもフスを敵視し、魔狩人団の大半に影響力を及ぼすさる高位の女司祭の助けもあって、フスの動向をきっちり監視することができた。

フスがにわかな流浪の日々のなかで、鞭打苦行者や改宗者らの信望を一身に集めたさまは、二世紀前の”敬虔なる”マグナスもかくやと思われた。

フスは放浪の日々にヴァルテンという鍛冶屋と出会い、シグマ一を眼前に見るがごとき驚嘆に打たれた。

若者の胸には彗星の徴があったのだからなおさらだった。

ヴァルテンこそシグマーの生まれ変わりだと確信したフスは、皇帝の認可を受けるベく若者を引き連れてアル卜ドルフへと向かった。

フスの率いる猛々しい信徒団がアル卜ドルフへと向かっているころ、皇帝は、”光”の救世を求めるコンクラーベを召集し、混沌の軍勢を迎え撃つための支援を集めようとした。

オールド•ワールド全域の首長たちを前にして、皇帝は事態の急なることを懇々と説いた。

ドワ一フやハイ•エルフはもとより、多くが支援を表明した。

コンクラ一べによって古い同盟関係が復活し、防衛計画が決せられた。

その頃、ルーサー・フスはアル卜ドルフに到着した。

皇帝は困難な立場に置かれた。

若者をシグマーの再来と認定することも、邪険に追い払うことも難しい。

前者を選んだなら、みずから帝位を禅譲するはめになり、結果としてエンパイアは弱体化するだろう。

後者を選んだなら、エンパイアの結束はばらばらになってしまうだろう。

しかし皇帝は妥協点を見出した。

シグマ一の聖鎚にして帝位の象徴たるウォーハンマー”ガール・マラッツ”をヴァルテンに譲り渡し、迫り来る混沌の軍勢に対処させようとしたのだ。

前衛軍がキスレヴを大混乱に陥れていたことから、アーケィオンおよび配下の将帥らの軍勢はさしたる困難もなく水雪の土地を通過した。

アーケィオンはとりわけ、エンパイア打倒の一念に凝り固まっていたことからプラーグやキスレヴには見向きもしなかった。

キスレヴの処置は”高位なる”ダッゴーンに一任すると、全軍をもってエレングラードへと向かった。

キスしヴ軍は頑強に持ちこたえたが、ノーシヤ狂戦士団が到着したことでついに陥落し、この港湾都市はアーケィオンの手にわたった。

アーケイオンはノース人の軍勢とともに南進をつづけ、オス卜ランドに侵入すると軍勢を五つに分割し、各軍の指揮を“永遠に選ばれし将帥”たちに任した。

コーンのケイオス•ウォリアー(混沌の戦士)であるハールグロスは、前年の攻撃で弱体化していたヴォルフェンブルグを通過して進擊した。

ティ一ンチの奴隸であるメレクは、中央山系へと分け入ると、ブラース砦を攻囲して、ノー
ドランドへと至る街道を支配した。

また、ナ一グルの選ばれし者であるフェイ卜ルはホックランドを侵略し、スラーネッシュのチャンピオン(魔将)であるズティルカールは、古森街道をヘルツイッヒとタラブへイムの軍勢から守り抜いた。

こうして布石が整ったことで、アーケイオンはみずからミドンへイムへと直行した。

シグマーの血筋騎士団とミドンランド州軍がしばらく持ちこたえはしたが、ドラクヴァルドの森からビース卜マンどもがわらわらと出現したことで、防御側はミドンへイムの防壁内へと退き、都市はすぐさま包囲された。

難攻不落のミドンへイムに対してもアーケィオンはまったくひるまなかった。

シグマーへの信仰を根絶することに執心を燃やしてからであり、そのためにはシグマーの戴冠地たるこの都市を灰燼に帰さねばならなかったのだ。

ウルリック教の炎を消し去り、狼と冬の神を冒洗し、 信徒らを“禍つ神々”へと転向させたときこそが、究極の勝利にふさわしいものだった。

 

破滅は回避された

エンパイアの滅亡は近いかに思われたが、エンパイアやエルフ、ドワーフ、ブレトニアらが結束して立ち向かったことと、時宜よくグリーンスキン勢が攻め込んできたこと、およびアンデッド勢の行動開始にも助けられて、アーケィオンの軍勢はついに打ち破られ、中央山系やドラクヴァルドの森へ、はては卜ロール郷までも後退することを強いられて、その地で新たなる攻撃の計画を練ることとなった。

かくして撃破はされたものの、アーケィオンの軍勢は死や悲嘆をエンパイア北部に広まらせた。

オストランド、ホックランド、ミドンランドの三領邦は大打擊を受けた。

数万の民が家を失って飢えていた。

狂気が波及し、傷つきやすい精神は“終焉の”主に仕える者どもの醜行によってずたずたにされた。

ドラクヴァルドの森では、混沌の獣たちがいまだに活発に動き回り、昼なお暗き森をうろついては、戦争の惨禍をまぬがれた僻地の村落を襲撃した。

かてて加えて、スケイブンも活性化しており、ブラース砦はいまやケイオス•ウォリアー(混沌の戦士)らの拠点と化している。

ミドンへイムは陥落を免れたが、それでも無傷ではいられなかった。

攻城軍が残していった虐殺や堕落に地上の人間が対処を迫られている傍らで、地下ではスケイブンらが姦計を練っているのだ。

その先にあるものは

アーケィオンの打倒は、はるかに暗鬱な時代の先触れに過ぎない。

混沌の脅威がこれで去ったわけではないことは言うまでもないし、次にはいまだかつてなく強力な攻撃が控えていることも明らかだ。

北方から大軍勢が押し寄せてくるのは時間の問題でしかなく、それが現実となったなら、エンパイアがまたしても勝利できるなどと、いったい誰に言えるだろうか?

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