エンパイア南方

ボーダー・プリンス:Border Princes

灰色山脈によってエンパイアから隔てられたボーダー・プリンスは、小領主たちがみじめな領土を少しでも広げようと小競り合いをつづけているため、騒動と不穏が尽きることのない土地柄である。

そのことを除けば、ここは無節操な輩にとっては理想的な土地であり、技能を売って対価を得ること、貴族を目指す者たちの列に加わることのいずれも可能なのだ。

この地に朽ちた姿をさらすブラックストーン城は、ボーダー・プリンスの支配を目指したひとりの男の愚行をまざまざと証明するものである。
その昔、ブラックストーン卿は、己の権力を誇示するために大城塞を築こうとしたが、労貸の支払いを最小限にするために、一人の死霊術師を雇い入れて、人足たちを作らせた。
それ以来、この城だけでなくブラックストーン卿の富のすべてが、アンデッドたちに握られてしまったのである。

ティリア:Tilea

ティリアとエスタリアをエンパイア人はよく混同するのだが、いずれも、古代から独自の文化を発達させてきた国々であり、オールド・ワールドに名だたる地位を築いて久しい。

これら南国のうちでは、ティリアの方が強力で、多数の都市国家が、首都レーマの大商家たちによってまとめ上げられている。
王制や貴族制についての従来的な見方をよしとしない土地柄であり、互いの利権を競うために政争の温床であるため、ここでは不注意なよそ者が、大商人たちの陰謀の渦中に巻き込まれることも大いにありえるのだ。

ミラグリアーノにほど近い「死者の沼地」は、アンデッドや、それ以上に邪悪な存在が巣食っている場所として恐れられている。
しかし言うまでもなく、近隣の領主たちは、この沼周辺の支流群を利用して、囚人たちを善良な市民の詮索好きな視線から遠ざけているのである。

海賊都市 サルトゥサ セイレーンと道化の都市 トバロ

エスタリア;Estalia

ティリアとは対照的に、エスタリアの諸王国は封建制を維持しており、諸侯が哀れな領民たちを導いている。

耳慣れない言葉のアクセン卜や、独特の顔ひげにひとたび慣れてしまえば、エスタリアはなんとも過ごしやすい土地であり、数多くの旅行者が、温暖な気候や比較的安価な住居に誘われてこの国に滞在するということだ。

エスタリアの特徴的な風景である“風車谷”は、アパスコ山脈の高地に位置する。
はるか昔に狂王ドン・フルノ・エスパロによって、民を養うために整備されたこの谷は、立地条件の悪さによって時をおかずに放棄され、数百もの風車が朽ちるままになった。
今日では、陰湿なラットマンが風車に棲みついて、邪悪な目的のために風車の再建を進めているのだといわれる。

バッドランド:Badlands

船旅を選ばない限り、バッドランドを避けて通ることはできない。
この一大荒原に、人間が支配を確立できたためしはなく、この地の低木林に覆われた丘や、吹きさらしの平原、陽にさらされた木立に好んで棲みつくのは、オークやその近縁種である。
グリーンスキンなどの外道らが闊歩するこの土地を避けるというのは至極もっともな態度ではあるが、太古の遺跡や失われた財宝を探し求める学者や冒険者たちのうわさは引きも切らないのである。

バッドランドの一角を占めるバラク=ヴァルは、ドワーフの港町であり南方への玄関口だ。
ドワーフ海軍の根拠地であるのみならず、オールド・ワールド中から冒険者や傭兵が集まってくる都市でもある。

モルグハムの廃墟は、かつてバッドランドに存在した人間の古代王国の都だった。
遥かな音、強力な魔術師がこの街に呪いをかけ、街に入ったが最後、出て行くことができないようにした。
そのため、住民たちは飢えや疫病で死んでいったという。

アラビィ:Araby

太古から人間が王国を築いてきたアラビィは、異国情緒ただよう風変わりな国家で、スルタンや砂漠の首長らに支配されている。
珍しい香辛料や奴隸をも含めた交易の中心地であり、商人にとっても冒険者にとっても市場で得られるものは大きい。
ただし、この国は厳罰をもって犯罪に報いることでも有名で、罪人の肉体から罪を犯した部分を切除することを刑罰の中心としているといわれ、その意味で危険でもある。

アラビィを南下し、オイヌーフ山よりも南へ下った先に、“魔道教主の宮殿”がある。
アラビィ中で噂されることに、魔道教主(ウィザード・カリフ)はいかなる魔術にも通暁しており、とりわけ呪いをかけることや解呪することに熟達しているという。
当然のことではあるが、魔道教主はどんな仕事にもしかるべき見返りを要求してくる。

死者の国:The Land of the Dead

バッドランドやアラビィを越えてさらに南下すると、大地は干上がり、足跡すらない砂漠がどこまでも広がるようになる。
この広大な土地は、かつてネフェキーラという古代帝国を生み出したが、今では死者に取り憑かれ、死者の国という名で知られている。

死者の古代都市や、正視しえぬ骸骨の怪物、アンデッド王といった数々の伝説が、この土地へ来てはいけないと警告している。
また、広大な砂漠はその風景からして人を拒んでおり、凡百の旅人なら、アンデッドの餌食になるまえに咽喉の渇きで死に至るだろう。

死者の国で興味深い地点のひとつに、その昔、ネフェキーラ諸王朝の最大の都市だったクェムリがある。
今では、かつての市街や神殿、墳墓がひっそりとたたずんでいるが、勇敢にも死者たちの怒りを買う危険を冒してクェムリに入り込んだ旅人たちは、想像を絶するほどの財宝で報いられてきたということだ。
ただし、生還して噂を裏付けた者はあまりに少なく、そのことが、この荒れた砂漠に確かな危険が潜むことを証拠づけているのだ。

サウスランド:South lands

死者の国の干からびた土地をどうにか踏み越えた旅人や、賢明にも船で迂回した者たちの前にやがて現れるのは、サウスランドと総称される土地である。

オールド・ワールドの全域にも匹敵する広さをもつこの大陸は、蒸し署い熱帯雨林に包まれており、川沿いや、噴煙をあげる火山にはモンスターが棲みついている。

この地はまた、奇妙な人型蜥蜴種族の生息地でもある。
この種族は、原始的な社会すら築きあげており、太古の都市や神殿に悽みついているといわれる。
さらに、冒険者にとっていっそう興味深いことに、黄金や貴石から宝飾品や武器を製造しているという。

この大陸の西岸に、“死者の頭のモノリス”がある。
奇妙で薄気味の悪いこの地点で、モールスリーブが満月の晩に黒曜石の頭像群をぬって歩くと、その者がどんな死を迎えるのかを頭像がささやくのだという。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です