モール教:Morr

信仰の中心地:ティリアのルッシーニ

教団の首長:存在せず

主な祝祭日:魔女の夜、神秘の夜

著名な聖典:『戸口の書』、『大鴉の歌』

一般的なシンボル

・黒薔薇

・大鴉

・門

戒律

・葬儀と通夜に関する全ての儀式を執り行うこと。

・いついかなるときも、死霊術師やアンデッドに出会ったときは対決するべし。

・死者とその遺族には敬意と思いやりをもって接するべし。

・見た夢は心に留めよ。

 

教団概要

死後の世界でその者の魂を守り、この世で息絶えた者をモールの門へと導く儀式を執り行うのがモール教団の役目だ。

理由はどうあれ、誰にでもいつかは死が訪れ、オールドワールド中のどこかで人々は死を迎えている。そういう意味でモール教団はオールドワールド全域で最も身近な教団である。

戦場では死を待つだけのかすかに息のある者には見向きもせず、敵味方に関係なく、横たわる死体にのみ祈りを捧げてまわる。

疫病でたくさんの人々が斃れた街では、死者の埋葬に忙殺されながらついには、自らも疫病に斃れることもしばしばである。

しかし、モールの教団員はこの世での生への執着など、とっくの昔に捨て去り、来るべきモールの門へと旅立つ運命の時まで、ひたすらにこの世を離れた者達をモールの下へと導くのだ。

全ての死者は愛すべきモールの僕であり、自分たちはその手伝いをしているのだ。そういうことから、死霊術師はモールの下から死者たちを盗み出す泥棒なので、モールの教団員たちは死霊術師は決して許しはしないし、死霊術師によって蘇ったアンデッドは一刻も早くモールの下へと返してやらねばならないのだ。

モールの懐の深さは、そんな死霊術師であっても、命をなくしてしまえば同じモールの僕であるため、最後の儀式で手を抜くことはないのだ。

教条

 死者が正しい儀式によってモールの下へと送られなかったとき、その死者は深刻な危難にさらされる。

正しい儀式が執り行われなかった死者は、モールの嫉妬深い兄弟のカインに連れ去られて折檻されるか、ルイナスパワーズ(禍つ神々)にむさぼり食われるるのだと信じられていて、人々は本能的にそれを恐れている。

埋葬されぬ者の魂は、現世にしがみつき、ゴーストとして存在し続けるため、埋葬は重要だが、それが適わない場合は、憑依を防ぐ儀式を行うか、モールの名に誓うだけでも安息は得られる。

たとえアンデットになってしまった者、禍つ神を信奉する如何わしい輩であっても、モールの保護の手はあらゆる者にさしのべられる。

夢や前兆は重大な危難を生者に知らせるモールなりのやり方で、己の死が予言されたときは、身辺の整理をせよという意味なので、死を恐れることはない。

入信

モール教は新規の入信者の獲得にあまり積極的ではない。生きているうちでなくとも誰もに死は訪れ、遅かれ早かれモールの下にやってくるのだから。

とはいえ、生きているうちにモールに入信した者は、司祭の下僕として墓穴を掘ったり、遺体の処理を手伝ったりする。また、単に墓守として陰気なモールの庭の護衛につく場合もある。

入信者の中には、死者の王(モール)が鮮明で衝撃的な夢に出てきたことがきっかけである者もいる。翌朝、慌てて近くのモール教団へと出向き、司祭たちに事のあらましを話し、入信するのだ。

また、すでに入信している者がこの夢をみることもあり、その場合はある特定の志願者に声をかけよという明確な指示である場合が多い。

入信者は長時間に亘り、うんざりするような仕事をやらされる上に死者の神聖さやモールの司祭の職務について講義も受けねばならない。

モール教団で仕事を続けるには、純粋な宗教的情熱に駆られること以外に理由が乏しいため、入信者には退会が認められている。

そのため、モール教は常に入信者が不足している状態なのだ。

 

教団員

モールの聖職者は、装飾や階級章など一切ない黒一色のローブに身を包む。

中には、鴉を飼い慣らし肩にとまらせている者もいる。

また、モールの聖職者は髪を短く刈り込む傾向があり、髭をきれいに剃っている者も多いが、卜占修道会士は例外的にザンバラ髪に髭などの野生味溢れる容姿の者が多い。

ほとんどの人々は葬儀の場や墓場でしかモールの聖職者と接することがないため、むっつりと堅苦しい連中だと思っているが、教団内では、裁縫や大工仕事など手先の器用さの訓練につながると推奨されており、こういった作業を通して教団員同士で趣味の集いや友人関係を築き、ユーモアを交えて日常的に会話をしていることは、あまり知られていない。

 

主な組織

死衣修道会

モール教の組織で最も大きく一般的な組織である。

死の神としてのモールに仕え、各地の神殿とモールの庭の管理運営を行い、人々の葬儀を執り行うため、大半の死衣修道会の会員はひとつの神殿に腰を据え、旅に出ることもなく過ごすが、中にはオールドワールド中の埋葬や葬儀を待つ迷える魂を救うためのさすらいの旅に出て生涯を過ごす者もいる。

ルッシーニで行われる十年に一度のコンクラーベ(宗教会議)には、モールの預言を受けた代表者を送るのだが、司祭長の夢に現れる預言には、とりわけ癪にさわる手下が選ばれやすい。

卜占修道会

夢と預言の神としてのモールに仕える卜占修道会士の大半は、教団の公式な下部組織である厄災預言者会の会員である。

彼らはさすらいの旅の中で、司祭に看取ってもらえない死者たちに最後の儀式を施すため、危険な地域にあえて踏み込み、屍体を見つけてまわる。

また、金銀財宝の眠る墳墓に踏み込むこともあり、そうした施設の中のトラップなどで命を落とした遺跡荒らしたちの葬送の儀式をとり行うためで、墳墓の財宝には全く手をつけずに帰ってくる。

このように危険が伴うことの多い卜占修道会士たちだが、黒の護り手からの助力を受けることは難しいため、冒険者たちと行動を伴にすることも多い。

厄災預言者会

厄災預言者会は卜占修道会に従属する下部組織で、僻遠の地を訪れてはモールの神殿を利用できない人々のために、「運命づけ」や葬送の儀式を行うことを使命としている。

子供が十歳を迎える誕生日の前日や誰かが死んだ直後の共同体に折りよく現れ、「運命づけ」や葬送の儀式を行い去ってゆく。

もう一方で、戦争や疫病、天災などで間もなく人々が大量に死ぬ場所に導かれる者たちがいる。一人でふらりと現れることもあるが、示し合わせてもいないのに複数の司祭たちが導かれることもある。

彼らは「見過ごせない夢を見た」と主張し、夢の解釈を議論する。

これから起こる大量の死を防ぐことは不敬だと考え、葬送の儀式を行うために導かれたのだとする集団もあれば、大勢の人々が本来の順番より早く王国の門をくぐる恐れがあるため、その厄災を阻止するか遅らせるために導かれたと結論付ける集団もある。

モールの司祭が死のにおいを嗅ぎ分け、絶妙なタイミングで現れる理由を巡って人々はさまざまな憶測をめぐらせ、噂をする。中には直接さすらいの司祭に聞いた者もいるが、司祭たちは口をそろえて「夢見に従っているだだ」と答えるので、その真意は謎のままである。

黒の護り手

黒の護り手はモールの聖堂騎士団である。モールの庭の守護と司祭たちの監視が主な任務である。

黒の護り手に入会する者たちの動機は、愛する者が死の苦しみから解放される瞬間に居合わせたとか、アンデッドとの遭遇を機にというものがほとんどである。

軍事に偏った組織は、蠢く死者や死霊術師に立ち向かうためでもある。

一方で、重要な葬儀(葬儀の金額による)には黒の護り手から選抜された儀杖隊が出席し、儀式の間は一切の物音をさせず、全身を甲冑でつつんでいるにも関わらず、音もなく行進することで有名である。

 

教団技能と教団異能

モール教に属する者は、以下の技能と異能を追加してよい。

(そのキャリアに就いた時点か、修道会に参加した時点か、どちらか早い方で決める)

入信者

修道会不問:〈威圧〉

司祭

修道会不問:〈学術知識:死霊術〉、〈職能:遺体整復師〉、《威圧感》

卜占修道会:〈学術知識:科学〉、〈魅惑〉、〈無駄話〉

厄災預言者会:〈方角案内〉、〈野外生存術〉、《威圧感》

黒の護り手(聖堂騎士はキャリアに順ずる、ここでは司祭の場合):〈学術知識:死霊術〉、〈察知〉、《威圧感》

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