信仰の中心地:エスタリアのマグリッタ
教団の首長:イザベラ・ジョバンナ・ルッセリ(ラ・アギーラ・ウルティマは通り名)
主な祝祭日:エンパイア国内では特になし。
著名な聖典:『戦争の女神 ミュルミディア』、『戦略論』、『戦の書』
一般的なシンボル
・盾の背後に直立した槍
・鷲
戒律
・つねに、品位と高潔さを以って行動せねばならない。
・戦時捕虜に敬意を払うべし。
・人道に反する敵にはいっさい慈悲を見せてはならない。
・師の教えを尊ぶべし。
・やむを得ない場合以外、命令は固守せよ(戒律を破るような命令には従う必要はない)。
教団概要
戦略や軍事学の神としてエスタリアをはじめとした南部諸国での支持は高いがエンパイアでの影響力は同じ戦いや軍事を司る神の中でも、ウルリック教やシグマー教ほどではない。エンパイアでは将校たちがたまに信仰する程度である。エンパイアの人々にとってこれまで数々の苦難を切り抜けてこれたのは、力や情熱であって戦略や異国の奇妙なやり方ではないからだ。
しかし、エンパイア国内の大半の都市にミュルミディアの神殿はあり、荒鷲騎士団が管理運営にあたっている。鋭い目つきの聖職者たちが戦略や軍事学に関する講義を開いており、誰でも聴講できる。また、南部のからの移民たちのために5日に1回集会も開かれている。ただし、集会は古語、エスタリア語、ティリア語のいずれかで行われ、聖職者の説法を一方的に聞くという形式ではなく、活発な議論がなされるため、ライクシュピール圏の一般人には近寄り難い雰囲気である。
教条
『戦の書』はミュルミディア信徒の必携の書となっている。
ミュルミディアが参加した12の大戦役とそれについて語った言葉と信条が余さず収録されているからだ。
「名誉」こそがもっとも大切であり、あらゆる行動を導く理念である。
対戦者に対する敬意を持つことや降参した捕虜に対する敬意がそれである。ミュルミディア教では、相手を降参させることが戦いの目的であるからだ。
相手を降参させるという目的のために、指揮命令を忠実にこなすことも教条ではあるが、その命令が名誉に則しているかが重要で、名誉に則していなければ、命令は簡単に破られる。
兵法もミュルミディアの大きな特徴で、巧妙な戦略は不必要な戦争を避けることができるからである。
こうした教条は息子や夫を戦場に送り出した女たちに人気で、「シグマーは人を戦場に送り、ミュルミディアが連れ戻す」といわれる。
入信
2000年以上の歴史の中でミュルミディア教は間違いなくオールドワールドで最大規模の教団であり、その門戸は広く開かれいてる。
しかし、シグマー教やウルリック教の勢力の強いエンパイアでは、軍人かエスタリアかティリアの移民たちにしか開かれていない異国の宗教だと勘違いされている。
ミュルミディア教に入信した者はフードのついていない白いローブを与えられ、1名の司祭に対して4名までの入信者があつまり、小隊としてさまざまな訓練や戦略術などを寝食をともにしながら学ぶ。小隊の中で優秀者は「一番鷲」とよばれ、小隊長となる。
「一番鷲」になった上で何らかのめざましい功績をなした者は司祭への昇進試験を受けられる。司祭への昇進は神殿によってさまざまで、模擬戦を指揮して勝利するという簡単なものから、机上のミニチュアで戦場を再現し、ミュルミディア以上の成功を成す必要があるという困難なものまである。
一番鷲になれなかった入信者は、一考に値する能力があると認められれば、神殿の地下の迷宮に放り込まれたり、雄牛や猪などの手強い動物との戦わされたり、過酷な環境下に置き去りにされて生き延びるとか、遠く離れた聖地の秘密を見つけるなど過酷な試練を乗り越えることで司祭への道が開けるが、これらの過酷な試練に耐えられないであろうと判断された者は試練以前に肩をたたかれ辞めるように説得されるのである。
教団員
『戦争の女神 ミュルミディア』の書物によれば、ミュルミディアは黄金の鷲に変身し、敵の布陣を偵察できたのだという。この逸話を以って、荒鷲騎士団は翼を大きく広げた鷲のシンボルを多用し、このデザインのマント留めやバッチを身に付ける。
有徳の槍騎士団は、ピカピカに磨かれた板金鎧にミュルミディアの盾と槍をあしらった陣羽織を羽織る。
太陽騎士団にいたっては、磨きぬかれた黒と金の板金鎧と鏡面仕上げを施された盾を装備していて、12本か16本に放射状に光が波打つデザインの太陽のシンボルを兜の頂点やブレストプレードの装飾など体のどこかにつけている。
主な組織
ミュルミディア教はオールドワールドで最大規模の宗教組織であるため、無数の組織が存在するがミュルミディア教が浸透していないエンパイアにおていは比較的組織は単純である。
荒鷲騎士団
巨大な軍隊のような組織をなし、下位者は上位者の命令の下に動く仕組みだが、上位者たちは下位者からさまざまな意見を吸い上げるために助言を要求する。
環境の変化に柔軟に対応するため、頻繁に組織の変更が行われる。
有徳の槍騎士団
有徳の槍騎士団はオールドワールドで最大規模の聖堂騎士団である。
ほとんどの集会堂はティリアとエスタリアに集中しているが、エンパイアやアラビィでさえも集会堂は存在する。
多数の下部組織が寄り集まって形成されている有徳の槍騎士団の内部構造は複雑で、東西で対立しているミュルミディア教の面倒なしがらみにエンパイアの有徳の槍騎士団はどちらの指揮下に納まるかで、ふらついている。
太陽騎士団
その名声に反して、組織はごく小さい。
十字軍の遠征の際にエンパイアの騎士60名はアラビィの追っ手にとり囲まれ絶体絶命の窮地に陥ったときに奇跡的な地震で、ミュルミディアの巨大な石造が倒れ、助かったことで60名の騎士はエンパイアに戻るとタラベックランド西部に異国の神を祭る神殿を建てた。
その後、十字軍遠征に加わった金豹騎士団や金獅子騎士団の協力でエスタリアやその先に至る通商と巡礼の道を開いたのだ。
真なる洞察の修道会
ミュルミディアが定命者だったころ、たびたびモールの預言者に相談をしたということから、現在でもミュルミディアの信者たちはその習慣をつづけていて、ティリアやエスタリアの軍隊にはモールの卜占修道会士が付き添うことがある。
ミュルミディア教団内にも独自の托宣者集団が存在し、そのひとつが「真なる洞察の修道会」である。会員は紹介でしか入会できず、大半は晩年の女性である。
多くの荒鷲修道会の騎士はまず、真なる洞察の修道会に相談してからでなければ、いかなる大戦役への従軍を拒むほどの影響力をもっている。
“激怒”の騎士団
『戦争の女神ミュルミディア』に登場する盾乙女”激怒”という名の乙女は、復讐心に駆られていたが、彼女の復讐心を理解したミュルミディアは彼女を制止するのではなく、戦場で使った。
その結果、彼女は敵を殺しまくり、敵が一人残らずいなくなるとすすり泣き、崩れるのだった。そんな彼女の最後の地は教団の管理下で聖地として残されている。
そのような逸話に魅せられた者たちが発足した”激怒”の騎士団は、エスタリアとティリアでは女性ばかりの組織だが、エンパイアでは男性ばかりの組織となっている。
教団技能と教団異能
ミュルミディア教に属する者は、以下の技能と異能を追加してよい。
(そのキャリアに就いた時点か、修道会に参加した時点か、どちらか早い方で決める)
入信者
〈学術知識:戦略戦術〉、《重傷打撃》
司祭
修道会不問:〈指揮〉、《特殊武器:どれか3つ》
太陽騎士団:〈常識:エスタリア/ティリア〉、《旅慣れ》、《特殊武器:どれか1つ》
荒鷲騎士団:〈学術知識:戦略戦術〉、〈指揮〉、《特殊武器:どれか1つ》
有徳の槍騎士団:〈常識:エスタリア/ティリア〉、《特殊武器:どれか1つ》、《生来の戦士》
“激怒”の騎士団:〈指揮〉、《狂乱》、《特殊武器:どれか1つ》
真なる洞察の修道会:〈学術知識:戦略戦術〉、〈学術知識:天文学〉、〈常識:エスタリア/ティリア〉、《強運》
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