ウォーハンマーFRP リプレイ【ワールウィンド】 第1話

※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありませんが、実プレイゲームを元に、私の独断・偏見・妄想・勘違い等により実プレイを大きく歪めてしまうかもしれません。生暖かく見守りましょう。

●ここはエンパイアのナルンという街だ。相当な大都市で物不足のこの時代でも大抵の物は揃う。
そもそも、なぜ世の中が物不足かというと”混沌の嵐”という出来事のせいだ。
北方からデーモンやモンスターたちが突如侵略してきて、首都アルトドルフに迫るほどの勢いだったいう。
数々の街や村が襲われ、多くの兵士や村人などが死んだそうだ。
このナルンの街はそんな”混沌の嵐”という出来事の被害も比較的少なく済んだ街の一つだ。
そんな、ナルンの一角にある宿屋兼居酒屋”積肥え亭”で「ピョートル」という一人の街道巡視員が酒を飲んでいた。

【ピョートル】
ウヴェ、もう一杯エールを頼む。

【ウヴェ】バーテン
はいよ。
ところで、ピョートルさんよ。あんた街道巡視員という仕事があるが、金になる仕事をしてみないか?

【ピョートル】
内容によるな。

【ウヴェ】
“こわばったゴム”通りの「鶏肉サラダ」という建物の住人が貴重品の保護の為に”有能な者”を雇いたいそうだ。
俺もただの仲介者なんで、詳細は「鶏肉サラダ」で聞いてくれ。
必ず俺の紹介で来たことを伝えてくれよ。

【ピョートル】
・・・行くだけ行って、金になりそうだったらやってみてもいいかな・・・街道巡視員の稼ぎなんてたかが知れてるし。

ウヴェよ。じゃあ行ってみるよ。

【ウヴェ】
そうかい、なら今日の酒代は俺からのおごりだ。
がっぽり稼いで、また飲みに来てくれよ。
くれぐれも俺からの紹介だと伝えてくれよ。

【ピョートル】
ああ、じゃ、またな。

【GM】
「鶏肉サラダ」の場所はすぐわかる。

建物は街の郊外の建物にしては大きく、形もなんだか変わった形だ。
屋根からは鉄製の棒状のものが天に向かって突き出し、屋根には平たい部分があり、この場所なら屋根にも容易に立てそうだ。
さらに屋根の上にデッキがあり、デッキを支える木製の塔のようになっている。そのおかげでデッキの高さは鉄のポールと同じくらいの高さになっている。

正面には、大きな両開きの扉があり、なにやらロープが備え付けられていて、「御用の方は引っ張ってください」と書いてある。

【ピョートル】
じゃ、呼び鈴を引っ張ってみる。

【GM】
ベルが朗らかな調子で何度もなり、扉の奥から突然、爆発音が聞こえてくる。
ハンマーを持ったハーフリングが、「くそったれなベルめ!何で今日はこんなに来客が多いんだ!」とぼやきながら扉を開けて、ピョートルを見ると「あんな風にベルを鳴らすなんて、自分のしたことを解っているのか?ああん?」と挑戦的な視線を投げかけてくる。

【ピョートル】
バーテンのウヴェから仕事があると聞いたのだが。

【ハーフリング】
おおっ、そうでしたか。
今日はたくさん腕利きの”有能な者”が来たもので忙しくて、失礼しました。
ささっ、どうぞ。
奥のほうへ。

あっ、私は”ファットボーイ・スモールノーズ”と申します。依頼主の”キューゲルシュライバー博士”の助手であります。
こちらの部屋で少々お待ちください。

【GM】
そう言うと、ダイニングルームに通される。
そこには、すでに6名の冒険者が待っていた。
ダイニングに通され、5分ほど経って灰色の髪の60代くらいの男が入ってくる。

【キューゲルシュライバー】
みなさん。私が、偉大な発明家にして著名な大天才キューゲルシュライバーである。

今回の依頼は他でもない、先週一週間覆面を着けた男たちがわしの屋敷にやってきて金をゆすり取っていったのじゃ。
頭脳戦なら負けんのじゃが如何せん、腕力に訴えられるとこちらの分が悪くての・・・それで、君たち同志を雇ったわけだ。
近いうちにまたやつらがやってくるはずじゃ、その時にやつらが二度と悪さできんように懲らしめてほしいのじゃ。

【GM】
一同の中から質問がぶつけられる。
・報酬はいくらか?
・犯人はどんなヤツか?
・この屋敷に泊り込みで仕事は出来るのか?その際食事の心配は?

【キューゲルシュライバー】
まあまあ、不安があるのも無理はないのう。
しかし、心配無用。
そのくらいの質問は、偉大な発明家にして著名な大天才のわしならお見通しじゃ。
報酬は一人100gc、仕事中の君たちの部屋と食事は保障しよう。
敵は正直どんなやつかわからん。人数はいつも8~10人くらいで現れる。
どうじゃ、悪くない条件だろ。

【ピョートル】
・・・100gcか・・・俺はやるぜ!

【GM】
その場にいる一同も一人100gcという報酬に釣られたのか皆、依頼に賛同した。

【キューゲルシュライバー】
おおっ、同志よ。
この時点で皆仲間じゃ、ファットボーイが食事を用意しているから、食事でもしながら、自己紹介でもして連携を深めたまえ。

食事が終わったら、君たちにみてほしい物があるファットボーイに従って地下倉庫へ来てくれたまえ。

【GM】
そして、ファットボーイが次々に料理を運んでくる。
ファットボーイの料理はとてもおいしい。
いつもの酒場の安い食事が霞んで見える。
出来ることならこのまま住み着いてもいいと思わせるほどだ。

食事に舌鼓を打ちつつ、自己紹介が始まる。

【ヒューゴ】ハーフリング 男性
じゃ、あっしから・・・ヒューゴって言うっす。
出身はムートっていうハーフリングの国でやんす。
ナルンでは傭兵家業を少々・・・スリングの腕は自身あるっす。

【マスカット】ハーフリング 男性
俺も、ムートの出身で今はナルンで兵士をしている。
と言ってもつい3日前の話だが・・・この際冒険者として身を起こそうかと考えている。

【エリーズ】人間 女性
私は、ナルンの防壁の外に家族と住んでいます。
いつもは、狩人として狩りで生計を立てているけど混沌の嵐のせいで、すっかり獲物がいなくなったので、この仕事を引き受けました。

【ウルフガング】人間 男性
フリーの剣闘士をしている。
人々が裕福だった頃は俺にも仕事はあったのだが、混沌の嵐のせいで人々は闘技場みたいな娯楽には目もくれなくなった。
この剣の腕を活かして、冒険者になろうと思っている。

【ピョートル】人間 男性
いつもは、ナルンの外で街道巡視員をしている。
危険な割りに薄給でな。
どうせ危険な仕事をするなら一発、冒険にでも出るかと思い立った。

【アデルベルド】人間 男性
俺は船乗りだ。
といっても専ら川船の船員だけど・・・。
しかし、いつか大海原に乗り出すために冒険者として金を稼ぐぜ!

【ゴットリ】ドワーフ 男性
私は、密輸商人をしている。
しかし近頃は、混沌の嵐のせいで物々交換が多くなってきている。
品物を仕入れるためにも金は必要でね。
そのための資本金稼ぎに今回参加したのさ。

【GM】
やはり、混沌の嵐の影響は新たな冒険者を生み出すきっかけにもなっているようだ。
それぞれ事情のある面子ばかりだが、それぞれの長所を活かして今回無事に報酬を手に入れようということで、意見が一致した。
徐々に彼らは打ち解け、よそよそしい空気は薄れていくのだった。

食事も終わり、食後のハーブティーで一息ついたところで、ファットボーイが口を開く。

【ファットボーイ】
それでは皆さん、少しの間またあの老いぼれに付き合ってやってください。
では、こちらです。どうぞ~。

【GM】
ダイニングから、キッチンの勝手口から外にでると、庭に羽目板があって、それを上げると地下に通じる階段がある。
地下に降りていくと、作業場らしくとても散らかっている。
得体の知れないボトルや化学薬品がゴボコボと泡を立てていたり、床には用途不明の機械の部品が転がっていて、分解された火気や散らかった火薬なども散乱している。
ここは、作業場・研究所・鍛冶場・錬金術師の隠れ家が混合されたような部屋で複雑な臭いが充満している。

作業場の真ん中にはシートを掛けられた巨大な物体が目を引く。

【キューゲルシュライバー】
いや~。やっと食事が終わったのだな。
待っていたよ。
君たちは幸運な上にラッキーだよ。
この偉大な発明家にして著名な大天才のわしの発明品を目の当たりにできるのだから。
私に雇われた以上遠慮はいらん。存分に君たちの素直な感想を聞かせてくれたまえ。

【GM】
キューゲルシュライバー博士はそう言うと例のシートが掛けられた巨大な物体の前に行き、派手にシートを取り払う・・・・・続く

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました