ウォーハンマーFRP リプレイ【ワールウィンド】 第2話

・・・続き。

【GM】
取り除いたシートの中から現れたのは、魚の形をした金属製の乗り物らしき物だった。
頭の付け根と尻尾の先、背中と腹の部分にきちんとヒレを模した水かき・舵まで付いている。
眼の部分はガラス製の船窓になっていて、大きさ的には人が二人ほど乗れる大きさだ。

【キューゲルシュライバー】
キューゲルシュライバー式潜水艇!!
ぶぁはっは。どうだ!びびったかね?

偉大な発明家にして著名な大天才のわしには、この発明は運命だったのだよ。
この発明で、川底や海底の調査をしたり、魚の生態を調べたりして世の中の役に立つ。
後世の人々は偉大なる発明家にして著名な大天才キューゲルシュライバーを讃え文明の発展に感謝することだろう!

【エリーズ】
・・・この大きさでは、地上に続く階段を登らせるのは不可能なのでは??・・・

【GM】
せっかくのエリーズの質問もマイワールドにどっぷり浸ってしまった博士の耳には届かなかったね。

ひとしきり潜水艇の自慢を聞かされ、次の発明品を見せてくれるという。

次に見せられたものは、一般的な片手剣を収めるための鞘だが、鞘の底にバネの仕掛けを施しているという物だ。

【キューゲルシュライバー】
キューゲルシュライバー式早抜き鞘!!
これは、君たちのような冒険者には垂涎物の発明品じゃ。
売ってくれと言っても、まだプロトタイプなので量産の軌道に乗ってからしか売ることは出来んがの。

【GM】
そういって、博士は実演して見せてくれる。
鞘のスイッチを押すとビョ~ンと凄い勢いで剣が鞘から射出される。
博士は剣の柄を掴み損ねて、剣は遠くへ飛んで行き、部屋の壁に当たって落ちる。

※正しく作動させるには使用の都度d10を振り、6以上の目を出す必要がある。
成功すれば、《早抜き》異能と同じ効果が得られる。
失敗すると10ヤード先に飛んでいく。

【ウルフガング】
そんな信頼の置けない鞘が、命がけの戦闘で使えるワケがないだろ!

【GM】
前回と同じく、マイワールドに浸っている博士は聞こえてないのか、聞こえてないフリなのか、次の発明品を見せてやるという。

次のガラク・・・発明品は、鍵とポンプとホースが付いた手押し車だ。

【キューゲルシュライバー】
キューゲルシュライバー式移動消火器!!
いいか、ここのポンプを押すと特殊な科学処理を施された薬液が噴出され、火事の際などの消火活動に効果を発揮する。
噴出される薬液を粘り気のある液体にする事で、消火効率をただの水よりも数百倍高くしておる。
しかも、手押し車で移動しつつ、ホースで火元にピンポイントで噴出できる。
ホースを持って、ボタンをこう・・・ポチッ。

【ファットボーイ】
ギャーーーーー。
くそジジイ何しやがる!!

【GM】
茶色のねっとりとした液体がファットボーイ助手にかかる。

※この液体がかかったら「敏捷力」が15%低下する。
液体を洗い落とすには2時間程度はかかるだろう。

怒り心頭の助手をほっといて、次の発明品を紹介してくれる。

ガラス製の窓の淵にゴム製のヒダが付いたメガネのような物に、一本の筒が立ててある。
解りやすく説明すると、水中メガネとシュノーケルだ。

【キューゲルシュライバー】
キューゲルシュライバー式水中呼吸装置!!
これがあれば、水中で呼吸ができ、どこまででも泳げる。

【アデルベルド】
浅瀬で、貝や小魚を採るのに使えそうだな。

【キューゲルシュライバー】
その通りじゃ!!
若いのにこの発明の良さが解るとは見込みがあるぞ!

【GM】
どうやら、PCの発言は聞こえているようだ。(都合のいいヤツだけ)

次に紹介されるのは、60センチ四方のテーブルにベルトと刃物が付いていて、上からマジックハンドのような2本のアームが垂れ下がっている。
一見、超小型の拷問具に見える。

その隣にはほとんど同じものだが、機械自体が一回り大きくなった物があり、2台並んで設置されている。

【キューゲルシュライバー】
キューゲルシュライバー式ニワトリ羽根むしり機!!
キューゲルシュライバー式七面鳥羽根むしり機!!

【PC一同】
さっ、戻ろうか・・・・

【キューゲルシュライバー】
ま、待て・・・。
取っておきがあるんじゃ、最後だからこれだけは見てくれ。

【GM】
そう言うと、博士は屋根の上のデッキに誘導し、今にも雨か嵐が来そうな曇天の下、相変わらず熱っぽく”取っておき”の説明を始めるのだった。

発明品は軽い木の骨組みに丈夫な布製の膜をピンと張った物が一対、膜と膜の間には身体に固定する為のベルトが付いている。
簡単に説明するとハングライダーのような物だ。
それが、4機防水布に覆われてデッキに固定してある。

【キューゲルシュライバー】
キューゲルシュライバー式飛行機械!!!!!
ベルトを背中に装着して、両腕に翼を握ると、人間でも鳥のように大空を飛べるという代物じゃ。
この機械の実験をしてくれる者を酒場で紹介してもらえるようにしているが、半年近く誰も名乗りを上げん。
そういうわけで、今回の仕事が無事成功してもまだ、この実験に名乗りを上げれば仕事には事欠かんぞ。

ゆすり屋のやつらは、金を払わないとこれらの後世に残す偉大な発明品を壊すと脅してくるのじゃ。
なんとかわしの命ともいうべき発明品たちを守って欲しい。
改めて君たちにお願いする。

あっ、それから屋敷内では戦闘をしないでくれ!
発明品や調度品が壊されてはかなわんからの。
それらを壊されるとわしもさすがに報酬は払えんのでな。

【GM】
それらを伝え終わると、ポツポツと雨が降り始める。
遠くでは雷の音も不気味に鳴り響いている。

屋敷の1階に戻ったところで、やや動きの鈍くなったファットボーイ助手がPCの部屋を案内してくれる。

屋敷の二階部分にPCの部屋はあり、部屋には二段ベッドが4台設置されており、エリーズは皆の部屋の向かいの部屋に案内される。

寝るときだけエリーズは別部屋に行くことにして、ダイニングで作戦会議という名の飲み会がはじまる。

【マスカット】
何なんだ!あのじじいは。
意見を聞きたいとか言っておいて、都合のいい事しか耳に入れない。

【ヒューゴ】
あっしは、嫌いじゃないですがね。
むしろ、ファットボーイ助手に同情しますね。

【ピョートル】
まあ、そんなことより新たな条件が付いたな。
屋敷内で戦闘をするなって言うのは厄介じゃないか?

【ウルフガング】
そうだな・・・少なくとも玄関先までは入ってくるだろ。
そこから押し戻して、屋敷の前で戦っても数人には逃げられるだろうな。

【アデルベルド】
一人でも生け捕りにして、市警に突き出せばあとは芋ズル式でって、ダメかなあ?

【エリーズ】
それでいいんじゃないかしら。

【ヒューゴ】
屋敷では何も手を出さず、奴らが帰る先を一網打尽にするのも手じゃないですか?

【ゴットリ】
逃がした後の報復とか考えると、ヒューゴの案が一発で仕事を片付けられそうだが。

【ピョートル】
他にもゆすりの被害に遭っている人から市警に報告とか行って無いかな?
明日にでもちょっと調べてくるよ。

【一同】
そうだな。街道巡視員なら市警でもそういった情報は難なく仕入れられるだろう。

【ウルフガング】
しかし、あの博士の資金源はどこからなんだ?
あの発明品じゃ、売って金に替えるなんて無理だろうし・・・

【エリーズ】
ああ見えて意外と貴族のボンボンかもよ。
貴族家の次男坊以下の男子は結構自由気ままに生きてるみたいだから。
しかし、あの域までくると次男や三男ではないはね。
跡継ぎや権力とは無縁な七男、八男とかじゃない?

【GM】
PCが作戦会議という名の飲み会をしていると、落ち着かない様子の博士が入ってきて、窓の外を見たり、ブツブツなにかを呟きながら1階中をウロウロしている。

【ヒューゴ】
博士、どうしたんですかい?

【キューゲルシュライバー】
ああ・・・見て解るとおりエレメントの実験をするんじゃ・・・

【マスカット】
見ても解んねぇし・・・

【ファットボーイ】
皆さん。嵐もひどくなって今日は奴らもさすがに来ないでしょう。
明日に備えてゆっくり休まれてはどうですか?

【アデルベルド】
それもそうだな。
さすがに今日は来ないだろう。

【ピョートル】
今日来る奴らはよほど仕事熱心だな。

【一同】
全くだ。
寝よう。寝よう。

【GM】
かくして、各PCは部屋に戻り寝床に潜り込むのだった。

相変わらず博士はおきているらしく、ウロウロする度にイスをずらす音や靴音が響いている。

外の嵐は一層激しくなり、窓を叩く雨音と遠くや近くで鳴る雷の音が響いている。

・・・・・・!!

真夜中も過ぎたところで、突然近くで大きな雷が響き、物が壊れる音や人の叫ぶ声が聞こえてくる!!

●PCは「意志力」テスト。幸運点を使ったりしながらなんとか皆起きることができた。

【GM】
PC一行が慌てて1階に駆け下りると、人影が飛び出して来て、入れ替わりに階段を駆け上がっていく。

【キューゲルシュライバー】
そやつを止めるんじゃ!!

・・・続く

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