この戦闘手順は、ルールブックをもとに、「鋼の旅団」のハウスルールになっています。
ウォーハンマーRPGは、選択ルールも多いので、GM毎にハウスルールがあるといってもいいくらい、ルールブックの解釈の仕方によってルールが変化します。
どれが正解ということではなく、GMによるルール解釈の多様性こそがウォーハンマーRPGの魅力であるともいえるでしょう。
戦闘手順
1.イニシアチブ
基本的に、【機転】順に処理される。
【機転】が同値のキャラクターは、【敏捷】の数値の大きな方が先となる。
それでも値の同じキャラクター同士は【敏捷】対抗テストで決着をつける。
注意点:異能《曲乗り》《先制》《速射》、武器特質「素早い」「鈍重」に関しては、イニシアチブ順に影響を及ぼすので注意。
2. 不意打ち判定
GMは不意打ちを受けた者がいないかどうか判断を下す。
3.ラウンドの開始
状態異常や魔法の効果など「ラウンドの開始時に~」とあるものはこのタイミングで処理する。
4.ターンを実施する
自分の順番が来たら、アクションと移動を行うことができる。
アクション:技能を使って、攻撃や呪文の発動などの行動をすること。
A.近接攻撃
「交戦中」となり、対抗〈近接攻撃〉テストで勝利した方の攻撃が命中したことになり、成功SLは追加ダメージとなる。
対抗〈近接攻撃〉で両者がテストに失敗した際も失敗SLは勝者側ダメージを弱くする。
対抗テストに勝利すれば、+1「優位」を得て、全てのダメージが敵の【頑+】とAPで0点になったとしても、必ず1点は敵の【耐久】を減らすことができる。
テストでロールした出目の十の位と一の位を逆さまにして、「命中部位」を決定する。
B.遠隔攻撃
基本的には〈遠隔攻撃〉テスト成功で命中となり+1「優位」を得る。
この際、後で使う場合があるのでSLも算出しておく。
遠隔攻撃の例外:
・相手がシールド2以上を所持している場合、〈回避〉〈近接攻撃〉のどちらかで、矢弾を防ぐことができる。
・「交戦中」の状態に〈遠隔攻撃〉は行えないが、「ピストル」特性の武器の場合、対抗〈遠隔攻撃〉vs〈近接攻撃〉として戦闘を処理できる(ピストルの至近距離であるため、近接攻撃が届くため)。
C.呪文発動
〈言語:魔法語〉テストを行い、成功SLが呪文の発動値(CN)以上なら呪文は発動する。
自分の魔法体系に則した「魔導書」を持っている場合、発動値(CN)を2倍にすることで、魔導書に書き記された呪文を発動することができる。
これにより、経験点を消費してまだ覚えていない呪文を使用することも可能となる。
射撃系呪文:命中した〈言語:魔法語〉テストの出目を逆さまにして命中部位を出す。与えるダメージは「呪文のダメージ値」+「成功SL」+「【志+】」の合計値となり、目標の【頑+】とAPは有効である。
接触呪文:通常通り発動テストを終えた後に〈近接攻撃:格闘武器類〉テストを行う。
射撃系呪文でも〈近接攻撃:格闘武器類〉として至近で発射できるため、このテストの出目は命中部位の決定に用いる。
D.組みつき
組みつきを宣言して、対抗〈近接攻撃:格闘武器類〉に勝利した場合、相手にダメージを入れる代りに「組みつき」を行い相手の自由を奪うことができる。
次のターンでは、対抗【筋力】テストに勝利すれば、下記の選択ができる。
・【筋+】+SL分のダメージを与える。
・相手に「組みつかれた」状態を1つ与える。
・自身の「組みつかれた」状態を1+成功SL分解消できる。
対抗【筋力】テストに失敗した場合は、相手に+1「優位」が付与される。
組みつきが成功して君の方が「優位」なら、組みつきを解除できる。
この際、相手から離れて移動も可能で「交戦中」とはみなされない。
E.フリーアクション
武器を抜く、大声で警戒を呼び掛ける、薬液を飲むなどはフリーアクションとみなされる。
どこまでがフリーでどこからアクションなのかの基準はGMが判断するが、目安として、行為に対してテストが必要ならアクションである。
移動:移動にはさまざまなパターンがある。
A.通常移動
【移動力】分のマスを移動。1マスは2ヤード換算。
B.突撃
「交戦中」ではなく、相手が【移動力】以上離れており、【走行移動】以内であれば、突撃が可能。
ただし、次のアクションは必ず〈近接攻撃〉でなくてはならない。
勢いをつけて突撃することで、+1「優位」を得られる。
次のアクション〈近接攻撃〉が成功すれば、さらに+1優位が得られることになる。
突撃の応用例:「一撃離脱」通常通りに突撃を行い得た+1「優位」を使用して【武技】に+10ボーナスを加えて〈近接攻撃〉を行う、【武技】対抗テストの結果、勝利で得た+1「優位」を捨てることで、安全に「交戦中」状態から離脱でき、残りの【走行移動】分のマス目を移動できる。
なお、この場合の離脱については〈回避〉による技能を使用した離脱はできない。
C.離脱
「交戦中」からの離脱には2通りの選択肢がある。
・優位の消費:相手よりも優位が多い場合は優位を全て消費することで、ペナルティなしに離脱ができる。
・〈回避〉の使用:自PC〈回避〉vs相手【武技】対抗テストで勝利すれば、+1「優位」を得た上で安全に離脱できるが、テストで負けた場合は敵に+1「優位」が付与された上で〈近接攻撃〉を受ける。
D.逃走
PCが逃走をする場合、敵はただちに+1「優位」を得て、持っている武器を使い、非対抗の【武技】+20テストによってフリーアクションで1度だけ逃走しようとするPCに攻撃を行える。
敵の攻撃が成功すれば、通常通りにSLまで加算したダメージがPCへと与えられる。
これにより、PCは+0〈冷静さ〉テストを行い、失敗すれば「戦意喪失」状態を1つ得る。さらに失敗時のマイナスSLに応じた数の「戦意喪失」状態が重ねられる。
E.疾走
自身のターンにアクションを使用して全力疾走する。
+20〈運動〉テストを行い、【走行移動】+テストSL分の移動ができる。
テストの結果が-2SLであれば、【移動】4のキャラクターなら14マス移動できるということになる。
F.登攀
はしごのような登りやすい状況において、【移動】の半分のヤード数が登れる距離だ。
もっと早く登る場合はアクションを使って+20〈登攀〉テストをして、その成功SL分のヤード数を【移動】にプラスできる。
G.跳躍
【移動】と同数のフィート数までならテスト無しで跳躍できる。
それ以上を望むならアクションを消費して+20〈運動〉テストを行い、そのSL分のフィート数が加算される。
+0SLで成功した場合は、半フィート(6インチ:15cm)が加算される。
H.落下
1d10点のダメージに加えて、高さ1ヤード毎に3点の追加ダメージを被る。
意図的な落下(飛び降りるなど)の場合、+20〈運動〉テストでダメージを軽減でき、ダメージ算出の際に+1SL毎に1ヤード落下距離を短く計算できる。
落下によるダメージで【耐久】が0になった場合は、「伏せ」状態となる。
I.追撃
単純に逃げる相手を追う場合や馬車によるカーチェイスなどシーン判定で使用されるが、弓を撃ったり、相手に組み付いたりする場合も多いため戦闘として処理する方がよいだろう。
a. 追撃距離の決定:GMは追撃距離を決定する。距離1はもうすぐ手が届きそうな距離で、距離4はなかなか良いリード、距離8はほとんど追いつかないと諦め始める距離を目安とする。
追撃距離が10を超えると、対象を見失ったとみなされる。
b. テスト:追撃に積極的に参加している全員が状況に応じた技能でテストを行う。〈操縦〉〈騎乗〉〈運動〉など。
c. 逃げる側のSLが最低だった者と、追う側のSLが最高だった者の差を算出し、追撃距離から引く。
逃げる側のSLが勝っている場合には追撃距離が延びる。
d. 結果の決定
追う側が追撃距離を0またはマイナスに持っていけば、対象に追いついたことになる。
ただし、追われる側の一番遅い者に追いついたということで、追われる側が複数人いれば、そのまま逃げ続ける可能性もある。
追撃距離が10以上になれば、相手を見失い、追われる側が逃げ切ったとみなされる。
どのように描写するかは、GM次第だ。
5.ラウンドの終了
状態異常や魔法の効果など「ラウンドの終了時に~」とあるものはこのタイミングで処理する。
「鋼の旅団」では、数的優位のカウントもこのタイミングで行う。
6.2~5の繰り返し
ステップ2~5までの一連の時間はゲーム内時間で3~4秒程度である。
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