多くを与えられた者は多くの期待を背負うものである。
このことは神々が自分の聖職者を眺める際にも言えることであり、とりわけ奇跡を行なう才を授けた者にはなおさらである。
神々は他の模範となる奉仕を期待し、なんらかの過失を犯した場合も他の模範となる懺悔を期待している。
彼らがそうしなければ、期待に背いた罪人に神罰が下るだろう。
奇跡を行なう者たちはこの神罰を神のみぞ知る罪のために受けるかもしれない。
神の不興と神罰
もし、聖職者が戒律を破ったのなら、神罰をより受けやすくなるのは最もなことだ。
以下のルールは、ちょっとした記録管理が必要となるので、“選択ルール”とする。
このルールは、不信心な聖職者がより厄介事に巻き込まれやすくするものである。
不興点の獲得
聖職者が信仰する神の戒律を大きく破った場合はいつでも、「不興点」を1点増加させる。
何を“大きく破った”とするかはGMの判断次第であり、プレイヤーに違反が重大なものだったと告げる必要も、キャラクターの「不興点」が何点になったかを明かす必要もない。
もし、聖職者がセッションを通じて特に敬虔でなかった場合は、そのセッション終了時に「不興点」を1点増加させること。
これは、聖職者のキャラクターが重要な戒律違反を起こさなくても、仔細な違反を何回か起こし、それに特に自責の念を覚えなかったことを意味する。
もしくは、そのキャラクターが自分の仲間を優先して、神の意向を大いに無視した場合もありうる。
不興点の使用方法
「不興点」を持っているキャラクターが呪文を発動する時はいつでも、「不興点」と同数のダイスをロールすること。
これらのダイスは、発動値を決定する【魔力点】のダイスの目に加えないが、「神の天罰」のための同じ目があるかどうかの判定に使用する。
また、合計で4つ以上のダイスを振り、目の4つ以上が同じ場合は、「神の報復」表でロールをすること。
例:【魔力点】が2点で「不興点」を1点持っているキャラクターが、発動ロールで9の目と1の目をロールし、GMが「不興点」のロールで9の目を出した。
発動値は10として判定されるが、そのキャラクターは同じ目を2個ロールしたとみなされ、「神の天罰」を受ける。
その「不興点」によってダイスをロールしたなら、「不興点」を1点減少させること。
懇願した奇跡を首尾よく授けられうる聖職者は、明らかに、信仰する神の強い不興を買っているわけではないのである。
贖罪
聖職者は、目を見張らせる贖罪行為を行なうことで、「不興点」を0点にすることができるかもしれない。
それにふさわしい行為を、必ずロールプレイしなければならない。
また、セッションの重要な部分にしなくてはならず、他のプレイヤーがセッションを楽しむ妨
げになってはならない。
聖職者は意図的に贖罪を行なおうとしなくてはならず、己の神にふさわしい行動を行なわなければならない。
これらはすべてGMの裁定次第だが、そのロールプレイで皆を楽しませたのならば、GMは寛大に応えるべきである。
神の不興と非術者系の聖職者
非術者系(【魔力点】を持たない)聖職者も「不興点」を貯め込むかもしれない。
GMの判断で、「不興点」を1点減少させることと引き換えに、そのキャラクターの何らかの1回のテストに-10%のペナルテイを課すことができる。
これは、【運命点】を持っている聖職者のみに適用される。
他のキャラクターは、そのような関心を払うほど重要視されていないのである。
神の天罰
ロール | 結果 |
1~15 | この世ならざる光景:君の神は今回、象徴的ではあるが混乱を招く光景を君に見せることにした。 そのため、君は1ラウンドにわたって気絶状態となる。 |
16~30 | 献身の証を示せ:呪文発動を完了するためには、あともう少し祈らねばならない。 この結果により、呪文の発動時間は半アクション分増加する。 発動ロールに失敗した場合でも、この追加の時間を費やさねばならない。 |
31~45 | わが忍耐を試すつもりか:君は1d10ラウンドにわたって、他の呪文を発動できない。 ただし今回の呪文については、発動ロールに成功したのなら、有効である。 |
46~60 | そちの大儀など愚にもつかぬわ:たとえ発動ロールに成功していたとしても、君の呪文は失敗する。 |
61~75 | 刺すような叱責:君の呪文は失敗する。 それだけでなく、君は1分間にわたって、【意志力】に-10%のペナルティをこうむる。 |
76~90 | 恩恵と引き換えに何を犠牲にする?:君は、【頑健力】ボーナスや鎧に関わらず、1d10点の【耐久力】を失う。 |
91~99 | そちは罪を犯した:君は何らかの理由で神を怒らせてしまった。 君は1d10ラウンドにわたってひざまずき、懺悔しなくてはならない。 そのため、君は無防備状態となる。 |
00 | ディーモンの干渉:祈りに応えたのは、君の神ではなかった。 この表の代わりに、ティーンチの呪い「混沌の大発現」でロールを行なうこと。 |
神の天罰【恩恵と引き換えに何を犠牲にする?】
上記の「神の天罰」表の76~90「恩恵と引き換えに何を犠牲にする?」のときに、信仰する神に由来した天罰を下記に記載する。
また、下位神には元のものを使用すること。
神 | 天罰 |
ヴェレナ | 君の知識が奪われる。 これから1時間の間に行なうすべての〈学術知識〉テストは自動的に失敗する。 |
ウルリック | 君の身体が霜で覆われる。 【頑健力】ボーナス や鎧に関わらず、1d10点の【耐久力】を失う。 |
シグマー | 君の額に双尾の彗星の形をした焼き印が現れ、 【頑健力】ボーナスや鎧に関わらず、1d10点の 【耐久力】を失う。 |
シャリア | 君の仲間のひとりが次に傷を負った時、君も全 く同じ傷を負う。 これは、ダメージを受けるこ とや、クリティカル・ヒットを受けることを意味する。 |
タール・リア | 君の精神は3ラウンドにわたり獣になる。 君はたいていの状況において逃げだすが、追い詰められると闘う。 |
マナン | 君は塩水を吐きだし、まるで溺死しかけたよう な感覚に襲われる。 【頑健力】ボーナスや鎧に 関わらず、1d10点の【耐久力】を失う。 |
ミュルミディア | 君は、次の「回避」または「受け流し」テストに自動的に失敗する。 |
モール | 君の身体からすべての温もりや活力が絞り出 される。 これから1分間(6ラウンド)にわたって、すべてのテストに-20%のペナルテイを被る。 |
ラナルド | 君は、これ以降に成功したテストを再ロールし なくてはならない。 再ロールしたものが失敗 なら、テストは失敗したことになる。 これは、3 回続く。 もし、再ロールが成功したのなら、テストは成功で、再度ロールする必要はない。 |
神の報復
「不興点」を多く持つ聖職者は、「神の天罰」の判定において同じ目、を4つ以上ロールするかもしれない。
そうなった場合は、こちらの表をロールすること。
ロール | 報復 |
1~15 | 己が邪悪をしかと見よ!:君は己の過失の幻視を与えられ、それは瞬時に消え去るが君には永遠に続くかと思えるものである。 【狂気点】を1d10点獲得する。 もし、精神障害を得たのならは、それは「絶望の心」になる。 |
16~30 | 魂の浄化のために汝自身を鞭打て:【頑健力】ボーナスや鎧に関わらず、2d10点の【耐久力】を失う。 |
31~45 | 我が情けにつけ込むでないわ:君の【魔力点】は0に低下し、元の値に戻るまで懺悔(「不興点」を0点にするのと同じ試み)を行なうたびに1点ずつ回復する。 もし、君が【魔力点】を持っていなければ、日々使用することができる「幸運点」について同様のことが起こる。 ※【魔力点】を持たないキャラクターが、「神の報復」をロールすることはルール上ありえないが、GMは極めて重度な戒律違反や冒涜行為を犯した非術者系の聖職者に、この表をロールさせることがあり得る。 |
46~60 | 汝は呪いを受け、破門されるのだ:君は所属する教団から破門され、その事実が魂にも記される。 君は懺悔を行なうまで、君の神の信者に対するすべての社交的なテストに-30%のペナルティを被る。 |
61~75 | つまらぬ物に頼るでないわ:君の持ち物と装備品が、チュニック以外はすべて奪われる。 君が持っていた魔法的ではないすべての装備品は永遠に失われる。 魔法の物品は、不思議なことに君が懺悔を行なうと戻ってくる(GMの裁量によって、魔法的でないが重要な物品も、懺悔の後に戻ってくるとしてもよい)。 |
76~90 | 弁明してみよ:君は、審判を受けるために神前に召喚される。 【運命点】を1点費やさなければ、新たなキャラクターを作ることになる。 【運命点】を費やしたのなら、神は君を1d10ラウンド後に現世に戻してくれる。 |
91~00 | 悪魔的な天罰:ティーンチの呪い「混沌の破壊的発現」をロールすること。 |
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