ルール解説【成長編】

キャラクターの成長

ウォーハンマーRPGはキャラクターの成長を楽しむゲームだと言っても過言ではないだろう。

実際に、一度きりの単発セッションに人間のキャラクターで運命点3点、執念点3点は多すぎるし、「大望」はキャラクターが成長しながら目指す中間目標と最終目標であり、初期のキャラクター作製の時点でそこまで作り込むようになっている。

つまり、ウォーハンマーRPGはキャンペーンによってそのキャラクターの人生の紆余曲折を体験し、それによる成長を楽しむ玄人御好みの奥深いシステムであるともいえる。

 

キャリア変更 (ルルブP.48)

キャラクターのキャリア変更は、ルール上100XPなどの経験点を消費することで、レベルアップ、キャリアチェンジができるようになっているが、キャリア変更の際には慎重にGMと話し合うことが前提となっている。

確たる正当性もないのに、経験点を消費するだけで貴族にはなれないし、冒険中に対応をミスしてお尋ね者になってしまえば無法者として世間では認知されているため、警備兵や衛兵にはなれないだろう。

このように冒険の中で、キャラクターのロールプレイによってキャリアアップやキャリアチェンジの選択肢は大きく変化するためだ。

それを踏まえた上で、キャリアの変更方法は、大きく3つある。

・キャラクターのキャリアレベルを上昇させる場合。

・クラス内の別のキャリアへ転職する場合。

・別のクラスの新しいキャリアへ転職する場合。

 

  • キャラクターのキャリアレベルを上昇させる場合

キャラクターのキャリアレベルに沿って順当にレベルアップさせていくためには、「キャリアの満了(ルルブP.48)」が必須条件となる。

キャリアを満了していれば、100XPを支払うことで、一つ上のキャリアレベルへと昇格させられる。

また、キャリアを満了していれば、プレイヤーの好みや習得し損ねた異能を習得するためなど100XPを支払うことで、一つ下のキャリアレベルへと降格することもできる。

 

  • クラス内の別のキャリアへ転職する場合

クラス内のキャリアに転職する場合、現在のキャリアを満了していれば、100XPで別のキャリアのLv.1に転職できる。

現在のキャリアを満了していない場合は、200XPで別のキャリアのLv.1に転職できる。

 

  • 別のクラスのキャリアLv.1に転職したいのなら追加で+100XP必要であるため、キャリアを満了しているなら200XP、満了していないなら300XPの経験点が必要となる。

 

キャリアの満了 (ルルブP.48)

キャリアLv.1のキャラクターがキャリア満了するための条件は以下の通り。

・そのキャリアレベルで成長させることのできる「十字マーク」の能力値を全て5点以上、成長させている。

・キャリアレベルに書かれた8つ技能を5点以上、成長させている。

・キャリアレベルに書かれた異能を1つ以上習得している。

 

キャリアLv.2のキャラクターがキャリア満了するための条件は以下の通り。

・そのキャリアレベルで成長させることのできる「十字マーク」と「斧マーク」の能力値を全て10点以上、成長させている。

・キャリアLv.1~Lv2に書かれたそれぞれ8つ技能を10点以上、成長させている。

・キャリアレベルに書かれた異能を1つ以上習得している。

 

キャリアLv.3のキャラクターがキャリア満了するための条件は以下の通り。

・そのキャリアレベルで成長させることのできる「十字マーク」と「斧マーク」「髑髏マーク」の能力値を全て15点以上、成長させている。

・キャリアLv.1~Lv3に書かれたそれぞれ8つ技能を15点以上、成長させている。

・キャリアレベルに書かれた異能を1つ以上習得している。

 

キャリアLv.4のキャラクターがキャリア満了するための条件は以下の通り。

・そのキャリアレベルで成長させることのできる「十字マーク」と「斧マーク」「髑髏マーク」「盾マーク」の能力値を全て20点以上、成長させている。

・キャリアLv.1~Lv4に書かれたそれぞれ8つ技能を20点以上、成長させている。

・キャリアレベルに書かれた異能を1つ以上習得している。

 

能力値の成長 (ルルブP.47)

能力値を成長させられるのは、キャリアパスに印のあるところのみである。

Lv.1では「十字マーク」、Lv.2では「斧マーク」と成長させられる能力値もレベルに応じて増えていく。

能力値を1点上昇させるのに必要なXPコストはルルブP.47「能力値と技能上昇のXPコスト」表の通りである。

能力値には、成長させられる回数に上限はない。

 

技能の成長 (ルルブP.47)

技能の成長は、そのキャラクターのキャリアレベルにある8つの技能を成長させられる。

キャラクターがキャリアLv.2であれば、そのキャリアパス内のキャリアLv.1の8つ技能とキャリアLv.2の8つの技能を上昇させられるということだ。

技能値を1点上昇させるために必要なXPコストは、ルルブP.47「能力値と技能上昇のXPコスト」表の通りである。

 

異能の成長 (ルルブP.48)

新しく異能を習得するには、100XPのコストがかかる。

技能の成長と異なり、キャラクターのキャリアレベルに列挙されている4つの異能の中からしか選択できない。

つまり、キャリアLv.1で習得していなかった異能をキャリアLv.2で習得しようした場合、100XPを支払いキャリアLv.1のキャリアに転職して、さらに100XPを支払って目的の異能を習得することになる。

また、異能には1度習得すればいいものと、重ねて習得することでより強力な効果をもたらすものがある。

重ねて習得できる異能の習得にかかるXPコストは2回目は200XP、3回目なら300XPと増えていく。

 

冒険の合間 (ルルブP.192)

キャラクターを成長させるタイミングは、往々にして冒険が終わって、次の冒険が始まるまでの間になる場合が多い。

異能を習得する際にはルール上100XPのコストを支払えば、目的の異能は習得できるが、君のキャラクターはどういう経緯で、特殊能力である異能を自分のものにしたのだろうか? そのために師匠のような人物はいるのだろうか?

一体、前の冒険のどの場面でおこなった行為が君のキャラクターの能力値を上昇させる要因となったのだろうか?

このようなロールプレイを行い、キャラクターに深みを持たせることはTRPGの醍醐味であるし、GMやその他のPLたちとのコミニュケーションを図る上でも重要であり楽しいものでもある。

ただし、ルールブックにも明記されている通り、第6章「冒険の合間」に書かれていることは全て「選択ルール」である。

 

冒険外活動

冒険の合間には、さまざまな活動を行って、冒険で得た収入で特注の鎧を作らせるかもしれないし、より強力な相手を倒すために訓練に精を出すのかもしれない。

キャリアに従い商売をすることもあれば、学識研究や発明に没頭して次の冒険に役立つアイテムや知識を獲得するかもしれない。

が、その前にキャラクターはd100をロールして、強制的にイベントを決めなければならない!

 

イベント (ルルブP.193~194)

冒険が終わり、キャラクターが一息ついたところでイベントをロールするのがタイミングとしてはいいだろう。

イベントはルルブP.193~194に記載されている通りだ。

このイベントにより、最大で1週間に1回しか行えない冒険外活動が後回しになってしまったり、冒険外活動に必要な金銭の臨時収入が得られたりと、さまざまなイベントが起きる。

イベントはある程度の日数がかかるものや、一瞬で終了するものもある。

 

君の金はどこに消えたか (ルルブP.195)

君は先の冒険で得たお金を冒険外活動中に使うことがあるだろう。

装備を整えたり、教会に寄付したり、全て酒に変えて体内に流し込むのかもしれない。

次の冒険の最初にいくらか持った状態で始めならば、ルルブP.196「収入」を参照し、何か目的があって貯蓄を必要とする場合は、ルルブP.198「貯蓄」を参照する。

 

職務と責務 (ルルブP.195)

しかるべきキャリアのキャラクターは、その活動に冒険外活動を行う機会を奪われる。

「大貴族」は領地の情勢を知る必要があるし、「ギルド頭領」はギルド仕事の監督をしなければならない。

この責務を放棄した場合、いずれその「地位」を失うことになる。

また、エルフのキャラクターは、冒険外活動の上限は3回と決められており、3週間以上の冒険外活動があるなら、その間に同族の者と情報交換を行うことが責務であり、この行動の必要性から冒険外活動の機会が他種族よりも1回少なくなる。

つまり、冒険の合間が1週間なら冒険外活動の機会は1回、冒険の合間が2週間なら冒険外活動の機会は2回、3週間ならそのうちの1週間を同族に会うために費やさねばならず、冒険外活動は2回となる。

4週間の合間があれば、同族にも会い、冒険外活動を3回の上限までこなすことができるが、このエルフのキャリアレベルが3以上であれば、職務で余分に1週間が必要になることがあり得る。

 

一般的な冒険外活動 (ルルブP.196~200)

1つの「冒険外活動」は1週間と考える。

先の冒険から、次の冒険までに一体何週間の余暇があって、どの程度のことができるのかの指標にもなる。

余暇が4週間あれば、4回の「冒険外活動」ができることになるが、どれだけ余暇が長くても実施できる「冒険外活動」は最大3回であるため、余りの1週間は大した出来事もなくただ普通の日々が消化されたとみなす。

 

  • 依頼

入手可能度「舶来」の物品を調達できる。

ただし、適切な提供元を知っている場合のみ1回の「冒険外活動」を行うことでよいが、そうでない場合には、「専門家への相談」が必要になるため、1回の「冒険外活動」が余分にかかる。

また、1回の「冒険外活動」で調達できる「舶来」の物品は1つであるため、2つの物品を求めるのであれば、2回の「冒険外活動」を費やす必要がある。

 

  • キャリアの変更

GMの同意の上で、現在のキャリアを満了させているキャラクターは、その成長に相応しいキャリアへ通常100XP必要なキャリア・チェンジを「無償」で行える。

現在のキャリアを満了させていないキャラクターは、通常200XP必要なキャリア・チェンジを100XPで行える。

ただし、これは、「冒険外活動」の1週間という時間を費やし、しかるべき人物に自分を売り込んだり、許可や認可を得るために奔走したり、宣伝や贈賄で新しい地位を得たことを表す。

 

  • 収入

次の冒険に旅立つ前に収入を得る。

この収入は、先の冒険で獲得した報酬などを全て消化した後(ルルブP.195「君の金銭はどこに消えたか」)に手元に入る。

一般的には、キャリアに沿った階級に等しい金銭を得るのだが、金銭を獲得する手段はキャリアの仕事ばかりではないため、そこに拘る必要はない。

冒険の合間にロールした「イベント」で入手できる金額が変化する場合もある。

また、キャラクターがキャリアLv.3以上でこの「冒険外活動」をおこなう場合には、自動的に職務を果たしたこととみなして、レベルを維持できる。

 

  • 製作

ルルブP.288「消費者購入手引き」にある所持品または、GMが許可するアイテムを「冒険外活動」で製作することができる。

GMは製作できる物品の入手可能度によってテスト難易度を決定する。(ルルブP.197表)

技能テストに必要な成功レベルは所持品の価格を参考にしながらルルブP.197「価格表」を基準にGMが決定する。

また、その所持品に織り込む「難点」1つ毎にSLは半減され、「特質」1つ毎に+5される。(「難点」による半減を先に処理して、「特質」のSL上乗せすること)

製作には下記の条件が揃っていなければならない。

・〈職能〉のしかるべき専門分野を成長させている。

・適切な道具や素材、作業場が確保されている。

・製作前に「所持品一覧」の価格の4分の1の費用を支払える

製作は継続テストとして中断し、次の冒険の後に「冒険外活動」を使って続きの製作も可能で、作りかけのアイテムを信頼のおける人物に預けておいてもいいし、自分で持ち運んでもいい。

 

  • 専門家への相談

何か専門的な知識が欲しい場合、その筋の専門家への紹介や自分が専門家を知っている場合を除いて、まず専門家を探すところから始める必要がある。

冒険外活動では「依頼」「訓練」「特別な異能習得」などで専門家の存在が必要となるし、それ以外にも冒険の中で得た謎に迫るために専門家の知見が必要なのかもしれない。

そのため、この冒険外活動は「専門家を探す」ことと、「専門家に相談する」という二段構成となっている。

 

・専門家を探す

GMは、町や村の規模によってテストの難易度を決定するが、基本的には「手強い」±0〈世間話〉テストに成功すれば、専門家の居場所を突き止められる。

失敗すれば、その町や村で最も態度の大きい「自称専門家」の居場所を突き止めたことになる。

 

・専門家に相談する

専門家の居場所を突き止めたなら、この専門家が自分と会話してくれるかどうかのテストが必要となる。

PCの知りたい事柄によって「簡易」〈話術〉テストに成功するか、地元のヴェレナ神殿にささやかな寄付をして神官に間をとりもってもらってもいい。

情報の対価として、「恩返し」を要求されるのかもしれない(ルルブP.198「どうかお助けを!」)。

 

この一連の「冒険外活動」で情報を引き出すことに成功したなら、キャラクターシートのメモ欄に「専門家の再ロール」を記入する。

この「専門家の再ロール」は、この時に得た知識と関連のあるテストで失敗した時に使用できるもので、次回の冒険が終了するまで有効である。

 

  • 調教

君は飼っている動物1匹を調教するために「冒険外活動」を使用する。

「普通」+20〈調教〉テストに成功すれば、「調教済」の「クリーチャー特徴(ルルブP.341)」の1つをその動物に追加できる。

 

  • 貯蓄

「君の金はどこに消えたか」により、冒険の合間に君が先の冒険で稼いだ金銭は消えてなくなる。

それを避けるための方法がこの「貯蓄」である。

方法は2種類で、信頼できる金融機関に「投資」することでお金を預け入れるか、単純にどこかに隠す「財産隠匿」のどちらかだ。

 

・投資

銀行にお金を預けるには、地位が「白銀級」「黄金級」でなければならない。

その上で、投資する銀行の信頼度を決定する。

銀行の信頼度は、1~10の範囲で任意でもランダムでもいい、この信頼度が次回「冒険外活動」で引き出す場合の利子となる。

預けているお金を引き出すために「冒険外活動」を消費する必要があり、その際にお金を預けているPCはd100をロールする。

d100の出目が銀行の信頼度以上のであれば、預けた金額に応じた信頼度と同数%の利子を獲得する。

d100の出目が預けた銀行の信頼度未満であれば、銀行は経営破綻していて預金全額を失ってしまう。

 

・財産隠匿

この方法はも銀行とは違い、地位に関係なく全てのキャラクターが選択できるが、隠したお金に利子がつくことは絶対にない。

PLは次回以降の冒険開始時に「冒険外活動」を使うことなく隠し場所からお金を回収することができる。

回収にあたってd100をロールすること。

d100の出目が10以下の出目であれば、何者かがそのお金を持ち去ってしまい、隠していた全てのお金を失う。

それ以上の出目であれば、無事にお金を回収できる。

 

資金を引き出すことに成功した場合、その資金に加えて「収入」の冒険外活動によって得た全ての金額を次の冒険で使用することができる。

 

  • 特別な異能修得

キャリアパスには載っていない全く別の異能を修得できる。

注意すべきは、修得のために費やした「冒険外活動」の時間と金銭とXPが無駄になる可能性を孕んでいることだ。

 

この「冒険外活動」で異能を修得するための条件として、適切な指導者がいることが重要である。

指導者を探すにあたっては、すでに知り合いである人物から修得するか、「冒険外活動」の専門家への相談を成功させるなどさまざまな方法がある。

 

無事、指導者を確保したなら異能修得へのチャレンジすることとなる。

その際、指導者に対する報酬として目的の異能を得る際にかかるXPコスト100毎に2d10シリングとなる。

異能修得のためのXPコストを消費し、指導者に報酬を支払ったなら、GMは修得しようとする異能に最も関連があると思われる「能力値」や「技能」を指定して「多難」-20のテストを行わせる。

テストに成功すれば、異能修得となるが、失敗した場合には今後の「冒険外活動」で同じ異能修得にチャレンジする際に+10のボーナスがつく。

失敗し続けても、再チャレンジの際には+10ずつの修正値が加算されるので、いつか修得できる日はきっと来るだろう。

 

  • 訓練

キャリアでは成長させられない技能や能力値を成長させられる。

通常の成長に必要なXPコストと指導者への報酬として消費するXPコスト×1d10ペニーが必要となる。

さらに上級技能の場合、報酬は2倍になる。

 

指導者を探す際に大都市であれば、ほとんどの技能に対しての指導者を見つけることができるだろう。

一般的に表立ってその技術を教えることがない、非合法な魔術や神の冒涜にあたるような混沌の知識、犯罪に直結するような開錠術などの場合は「専門家への相談」の「冒険外活動」を利用することで、適切な指導者をこっそりと確保できるのかもしれない。

ただしそのような場合、指導者につきまとうリスクを考慮すると、相場とはかけ離れた報酬や「超大規模な恩返し」(ルルブP.198「どうかお助けを!)などを要求されるのかもしれない。

 

  • 発明!

発明は、「計画」と「工作」の二段階からなり、全く新しいアイテムを創造できる。

例えば、連発式ピストルとクロスボウピストルの発想から連射式クロスボウピストルを生み出したり、鳩に火薬を組み合わせて「鳩爆弾」のような非人道的なアイテムを生み出したりすることが可能になる。

アイデアが固まったら設計図を作製するために「冒険外活動」を1つ使って〈職能:技師〉テストを行うのだが、テストの難易度はそのアイテムの奇抜さや実現可能度を考慮しながらGMが決定する。

テストが成功すれば、「工作」に入る準備が整ったことになる。

テストの結果の+1SLある毎に発明品を作る試みに+1SLが加算される。

 

「工作」にとりかかるには新に「製作」か「依頼」を行うために「冒険外活動」を1つ使う必要がある。

「製作」は自分で発明品を作り出すもので、組み合わせるアイテムを扱うための技能を持っている必要がある。

例えば先の「鳩爆弾」の場合、鳩を扱うための〈調教:鳩〉と〈職能:爆破武器類〉が必要となる。

難易度は「超多難」-30を基準としてテストを行い、「計画」時に得た+SLを加算してテストの成否を判定する。

「工作」に用いる発明品をつくり出す費用は組み合わせるアイテムの価格の2倍が必要で、「入手可能度」は発明に用いるアイテムの中で最も希少なものを基準とする。

 

「依頼」する場合は、しかるべき技術を持った人物を探すために「専門家への相談」で「冒険外活動」が余分に必要となる場合もあるだろう。

しかるべき人物に依頼する際、製作費や報酬として新発明にしようするアイテムの6倍の費用がかかる。

 

生み出された新発明をどのようにルールに適用していくかは、GMに委ねられる。

 

 

クラスに即した冒険外活動

クラスに即した冒険外活動は、指定のクラスではないキャラクターでも行うことができる。

ただしその場合、実施するテストの難易度が全て1段階難しくなる。

 

  • 学識研究…(学士)

この「冒険外活動」を行うPCは、図書館・ドワーフ砦の年代記・ギルドの記録・ヴェレナ寺院などを利用することで、あらゆる知識を探し出すことができる。

探し出す知識に対して〈知識:専門分野〉を使用する場合、「普通」+20〈知識:専門分野〉でテストを行う。

また、〈知識:専門分野〉は無いものの〈読み書き〉ができる場合、「難しい」-10【知力】テストでも代用できる。

テストの結果、+1SLごとに有用な知識や隠匿された情報などを1つ追加で得ることもできる。

失敗でもSL-4以上の「大失敗」「超大失敗」の場合、PCは学んだ結果、間違った知識を正しい知識だと確信してしまう。

そのため、GMはPCに代わって秘密裏にロールしてもいい。

 

  • 最新情報…(野外民、河川民)

この「冒険外活動」で、遠方からの最新情報を得ることができる。

「手強い」±0〈世間話〉テストで、興味深い最新情報を得る。

テストに成功して+1SLごとにまた別の情報が耳に入る。

テストに失敗して-4SL以上の「大失敗」「超大失敗」の場合、PCは誤情報を正しい情報だと確信してしまう。

そのため、GMはPCに代わって秘密裏にロールしてもいい。

 

  • 戦闘訓練…(野外民、戦士)

この「冒険外活動」を終えたあとに、「手強い」±0〈近接攻撃〉か〈遠隔攻撃〉のテストで成功すれば、次回の冒険の期間中、その技能での攻撃の際に一度だけロールの結果をひっくり返すことができる。

この「冒険外活動」は複数回実施してもよい。

 

  • 反発の扇動…(都市民、農村民)

市民に暴動の種を撒くことができる。

ただしこの活動は話し合いなど何かと時間を要するため、2回分の「冒険外活動」が必要となる。

ただし、PCのキャリアが「扇動家」なら「収入」の試みをこの活動の1回分の「冒険外活動」とみなすことができる。

 

まずは反発の目標となる地域の有力者を把握するために「普通」+20〈世間話〉テストを成功させる。

その後、目標の評判の悪さに応じた難易度をGMが決定して、〈話術〉テストを行う。

例えば、貴族の圧政に対して民衆を奮起させるなら「容易」+40テストだろうが、シャリア宿泊院に対する抗議などは「多難」-20テストというように難易度を決定する。

これらのテストに失敗すれば、「冒険外活動」自体が失敗となる。

 

テストに成功したなら次回の冒険の期間中、目標に対して暴徒を迫らせるための〈話術〉テストを行う。

この難易度は、どのくらい巧みに計画されているかに応じてGMが決定する。

成功したなら目標に対して充分な数の民衆が詰め寄り、野菜を投げつけ、抗議の罵声を浴びせるのに充分な成果が期待できる。

SL+4以上り「大成功」「超大成功」の場合には、民衆は制御不能となり、私刑や放火などに事態が発展する可能性もある。

一方、失敗した場合は、民衆に奮起するほどの熱量を与えられず計画は失敗となる。

SL-4以下「大失敗」「超大失敗」の場合、目標自身や目標の周囲の者が君の存在に気付くことを意味する。

 

  • 標的の監視…(無頼)

「いかさま師」が標的となる人物を下調べとして監視したり、「墓荒らし」がモール寺院をうろついて司祭の動きを把握することで、冒険が始まった時に仕事がしやすくなるようにしておく。

「手強い」±0〈知覚〉テストを行う。

成功すれば次の冒険の期間中、標的に対するテストでのロールの出目を1回ひっくり返すことができる。

この「冒険外活動」は複数回実施できる。

また、テストの成功および失敗のSLに応じて目標に対する有力情報および偽情報を得る。

 

  • 風評…(学士、都市民、廷臣)

PCは次回の冒険の期間中、地位の段位に+1のボーナスを得て活動できるが、冒険が終了した時点でこのボーナスは失効する。

このボーナスを得るのに必要なコストは、PCが「収入」によって得られる最大値の金額を消費して、さらに「手強い」±0でキャリア技能のテストに成功しなければならない。

「超大成功」+6SL以上の場合には、特例として段位に+2ボーナスがつく。

失敗した場合、金銭を損はするが段位に影響はない。
「超大失敗」-6SL以下の場合は、度を超えたワザとらしいゴマすりは反感を買い、段位に-1のペナルティがつく(最小でも0)。

 

冒険の合間は何日ある?

君のキャラクターは先の冒険を終えて、何日の間報酬だけで暮らせるのだろうか?

たとえ報酬で稼いだ分を使い尽くしたとしても、クラスに応じたキャリアに就いているので、冒険の合間に収入を得ることもできる。

単純に報酬だけで何日の間、キャリアの地位を維持しつつ暮らせるかというのは、所持金とそのキャリアの地位によって大きく変化する。

例えば、新兵「白銀級1」なら、1週間新兵として働きながら生活しその間の食費などの必要経費を除いて、週末に1シリング手元に残るという意味だ。(ルルブP.51「地位にともない金銭収入」)

そして、冒険の合間に仕事をしなくてもこの新兵は1シリングの半分である6ペニーで世間への体面を維持しつつ1日生活できることになる。(ルルブP.289「物価」)

つまりこの新兵が先の冒険で10GCの報酬を得ていたなら、40日間は今の地位を落とすことなく生活できることとなる。

冒険外活動は1週間を1単位と考えるため、5週間は働かなくても暮らせるので、5回の冒険外活動が可能となる。

ただし、ルルブP.195にあるように、どれだけ余暇が長くても、実施できる「冒険外活動」は最大3回と決まっているため、残りの余暇は何事もない平穏な日々がただ流れただけ

で、週末にお金を残すほどの意識もせずに過ごしたこととなる。

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