消費者購入手引き (P.288)
ウォーハンマーRPGで冒険をすれば、お金に触れないわけにはいかない。
より強力な武器を買うにも、宿屋で一晩雨露を避けるにも、役人にちょっとした便宜を図ってもらうにもだ。
今回は、エンパイアにおける貨幣や為替、アイテムとそのアイテムの特徴について掘り下げる。
貨幣
エンパイアでは主に3種類の硬貨で経済が成り立っている。
「クラウン金貨」「シリング銀貨」「ペニー銭」である。
硬貨の重量は約1オンス(28g)前後で、基本価格は重量によって決定するが、ゲームの中でそこまで厳密にやると時間と手間がかかり過ぎるので、1クラウン、1シリング、1ペニーという形式で処理される。
また、クラウン金貨は「GC」、シリング銀貨は「“/”」、ペニー銭は「d」で略される。
標準的な硬貨の為替は下記の通りである。
1クラウン(GC)=20シリング(20/-)=240ペニー(d)
1シリング=12ペニー(d)
例えば、買いたい物の価格が3クラウンなら「3GC」、3シリング4ペニーなら「3/4」、10ペニーなら「10d」と表記される。
生活費
PCにはキャリアに基づいた「地位」がある。
地位には「真鍮級」「白銀級」「黄金級」と大まかに3段階の階層になっている。
・真鍮級
社会の再下層で、その生涯で金貨を手にすることはないだろう。
粗末な食事、共用の部屋、補修だらけの着古した服で、ただ今日を生きるために仕事をして僅かなペニー銭を稼ぐのだ。
・白銀級
俗にいう中産階級で、いいものを食べ、快適なベッドで寝て、質の良い服を着る。
かれらにとっての通貨とは「銀貨」のことを指す。
・黄金級
この階層のエリートたちは真鍮戦のような小銭に悩まされることはない。
豪勢な食事を食べ、サテンのシーツで眠り、高価な衣服と装飾品で着飾っている。
GMはこの階層を把握した上で、キャラクターはそのキャリア収入のおよそ半分を費やせば身分相応な体面を維持するのに充分な額であることを頭に入れておく。
キャリア収入は、1週間働いて、週末にいくらのお金が残っているのかを表す。(P.51「地位にともなう金銭収入」を参照)
市場を訪ねる (P.290)
キャラクターが物品の売り買いをする再に必要なルールで、キャラクターが探している物の在庫があるのか無いのか? また、値切る場合や物を売る際に少しでもキャラクターが得をするように判定したい場合や物々交換などにも役立つ。
ただし、交渉などはロールプレイによって表現することもあるため、このルールは全て「選択ルール」である。
入手可能度
全てのアイテムにはありふれた物なのか珍しい物なのかという基準を現す4段階の「入手可能度」がある。
・普及
エンパイアの大抵の場所で見かけることができて、容易に入手できる。
・品薄、希少
ルルブP.290の表を見て、その土地の規模で在庫があるかどうか入手可能テストを行う。
・舶来
大変珍しい品であるために、その辺の店を何軒探し回っても、基本的に在庫は無いものとして扱う。
このような品を入手するには、「冒険外活動」によって専門家に依頼するか、自分で製作するしかなく、そうでないならロールプレイによってGMに訴えかけるしか方法は無い。
交渉と取引 (ルルブP.291)
商品を購入する際のテストに役立つ技能がある。
〈値踏み〉と〈値切り〉である。
- 値踏み
〈値踏み〉技能はそのテストに成功することで、売り手にも買い手にも、どちらにも役立つ技能である。
・アイテムの特質を識別する際に用いられる。
・硬貨の交換価値を評価する。
・贋造品を見抜くことができる。
・希少や舶来などのアイテムの価値を±10%の範囲で見積れる。
- 値切り
店先に並んでいる品物は「価格交渉があって当たり前」という社会通念の下、少し価格を底上げして販売されている。
値切り交渉は大抵の場合、相手との対抗テストとなる。
〈値切り〉テストに勝利したなら、価格を10%値引くことに成功し、成功SLが+6以上の「超大成功」であった場合は、20%もの割引に成功する。
また、対抗〈値切り〉テストに勝利した上で《交渉力》異能を修得していることで、「超大成功」の結果同様に最大20%まで引き下げることができる。
売却
手持ちのアイテムをだれかに売却する場合、その物品を買い取りたい人物がいるのかどうかルルブP.290の入手可能度をテストする際の表を使ってロールする。
売却価格はアイテムリストの半額を売却価格の最大値とするが、GMとキャラクターの〈値切り〉〈値踏み〉テストを駆使して価格交渉を行う。
つまり、アイテム表の価格の半値から4分の1の価格で取引されるというわけだ。
値下げ
「品薄」「希少」な物品を売却する際に、ルルブP.290の入手可能度をテストする際の表を使って買い手が見つからない場合や、「舶来」の物品で買い手が簡単には存在しない場合には、値下げを行うことで、買い手を見つける確率を上げられる。
例えば、入手可能度「舶来」のホックランド・ロング・ライフル(100GC)は売却すれば50GCが期待できるが、買い手がおらず1段階値下げすることで、売値は25GCにはなるが、表の「希少」の欄で買い手を探すためのテストに挑戦できる。
さらに、半値の12GC10/-まで下げれば、表の「品薄」欄でテストできるため、買い手が各段に見つけやすくなる。
物々交換
エンパイアの農村部では、商人と村人との間で物々交換は珍しくない。
その際、ルルブP.291の「交換比率」の表を軸にGMは、「価値の高いもの」1つに対して「価値の低いもの」がどの程度の数必要か「ユニット」を決定する。
この際、双方の価格を照らし合わして概ね、同等になるように調整する。
アイテム解説
あらゆるアイテムには重さがあり、便利だからと無数に持ち運べるわけではない一方で、着用している服や鎧などは、手に持って運ぶよりも軽く感じられるものだ。
市場には精巧なアイテムもあれば粗悪なアイテムもあるし、貴族が作らせたような装飾の施された煌びやかな剣が売られている隣の店では、オークからもぎ取ったであろう刃こぼれした刀身に、ただ汚れた布を巻いたグリップの無骨で不細工なオークチョッパが売られていることもある。
そんな多様なアイテムの「荷重」と「精巧度」について解説し、その上で武器、防具、その他のアイテム解説へと広げていく。
荷重
荷重はも大きさ、重さ、持ち運びやすさなどを考慮して「ルルブP.293の荷重の実例」のように大まかに4段階に分けられる。
軽いものや小さなものは「小物類」として荷重点は0扱いであるが、背負い袋にどの程度の数量いれられるかは、PLとGMの判断に依る。
また、バレル樽や鞍袋など荷重点4以上を妥当とするアイテムは「特大品」として、持ち運びはせいぜい1つ、両手を使って運ぶことが条件となるだろう。
役畜
荷運びに使役する馬やロバ、またそれらが曳く馬車などは運搬できる荷重点がリストに記載されている。
馬車などに人間を乗せる際の大まかな基準として、人間サイズの乗客で荷重点10点とみなす。
着用
鎧、衣類、宝飾品など着用しているものは荷重点が1点減点される。
荷重超過
一時的に荷重点を超えて何かを運んだりする場合があるかもしれない。
荷重点の上限ギリギリまではペナルティ無しで、持ち運びできる。
ただし、1点でも超えたところから荷重点上限の2倍まで、さらに3倍まででペナルティは変化するため、ルルブP.293の表を参考にする。
荷重点上限の3倍を1点でも超えた時は行動不能となる。
荷重超過による【移動力】へのペナルティは超過した時から即座に適用される。
荷重超過による移動など「行程疲労」はその日の旅程を終えた時点で発生し、「疲労状態」を回復させるには休憩をとるしかない。
精巧度 (ルルブP.292)
エンパイアで流通している物品は現代の工業製品のように規格があるわけではなく、均一には作られていない。
単なる片手剣でも作る職人によって微妙にバランスが違っていたり、背負い袋でも生地の質や縫製によって違いが生まれる。
アイテムは「特質」と「欠陥」により、その品物の優劣が区別される。
その中でも特に武器のようなさまざまな形状があるものには、さらに「特性」と「難点」があり武器の個性や有用性を表している。
アイテムの特質と欠陥 「最高品質」
アイテムに付与される「特質」と「欠陥」を比べて、「特質」が多い場合は、「高品質」と呼ばれ、「欠陥」が多い場合は「欠陥品」と呼ばれる。
・「特質」が1つあるごとに価格は2倍、入手可能度は1段階困難になる。さらに、特質の数が荷重点よりも多く、「欠陥」の無い物品は「最高品質」となる。
・「欠陥」が1つあるごとに半額となり、入手可能度は1段階容易になる。
商人は「欠陥」を隠してキャラクターに品物を売ろうとする場合もある。
そのような場合、〈値踏み〉技能テストで勝利すれば「欠陥」を見抜ける。
また、〈値踏み〉の代替として武器であれば、その武器の専門分野の〈近接武器〉〈遠隔武器〉などでテストしてもよいし、道具類であればそれらの道具類を専門分野とする〈職能〉でテストすることで、「欠陥」を見抜ける。
入手可能度「舶来」の品は、流通自体が珍しいため、どんなに「欠陥」があっても、価格や入手可能度は修正されないため、高いお金を出して手に入れたものの、粗末な劣悪品であることもしばしばだ。
特質
- 軽量
持ち運びしやすいように設計されているため、荷重点が1点減点される。
- 実用性
実用性が考慮された工夫がなされている。
このアイテムを使用して失敗したテストには+1SLが付与される。
また、鎧の場合は着用した際の〈隠密〉ペナルティが10%軽減される。
- 精緻
豪華な装飾や刺繍、宝石が埋め込まれるなど、社会の上層階級のステータスを示すシンボルでもある。
この特質は複数回アイテムに付与することができ、精緻さが高いほど見事な作りのものである。
- 耐久性
頑丈さを計算して作られているため、壊れにくい。
例えば、通常の片手武器でファンブルした場合【筋+】+4の修正値が【筋+】+3に下がるところだが、片手武器(耐久性3)の特注武器でファンブルした場合は、片手武器(耐久性3)が片手武器(耐久性2)に変化することで、片手武器自体の修正値【筋+】+4に修正は入らない。
加えて、相手のトラップブレードによって「超大成功」で自身の武器が破壊される場合、1d10をロールして9以上の目なら破壊を防ぐことができる。
複数回この特質を重ねていれば、1d10の目標値を下げることもできる。上記の片手武器(耐久性3)なら1d10の出目で7以上を出せばトラップブレードで破壊されることはない。
欠陥
- かさばる
扱いにくい物品であるために荷重点が+1余分にかかる。
この欠陥を持つ衣服や鎧などは「着用」のルールで荷重点が1点軽減する恩恵を受けることもない。
鎧による「疲労」ペナルティは2倍になる。
ただし、「小物類」にこの欠陥を持つことはない。
- 粗悪品
このアイテムは質の悪い急造品であるため、アイテムを用いてテストに失敗した上でゾロ目を出すとアイテムは壊れる。
また、粗悪品の鎧の場合、この鎧の防護点の及ぶ部位にクリティカル・ヒットが発生すると破壊されてしまう。
- 低信頼性
この欠陥を持つアイテムを用いたテストで失敗すると余分に-1SL分失敗が酷くなる。
低信頼性の鎧においては、鎧の着用によるペナルティが2倍になる。
- 不細工
このアイテムは持っているだけで悪目立ちしてしまい、関連する【協調力】テストに-10のペナルティを受ける。
武器 (ルルブP.293~299)
武器の分類や細かなデータについては、ルルブP.294の一覧を参照するとして、武器の分類、間合い、特性などについて詳しく掘り下げる。
武器の分類
武器は大きく2つ「近接武器」と「遠隔武器」に分類が別れ、「遠隔武器」が射出する「矢弾」などがルルブP294~296の表に記載されている。
近接武器
近接武器は技能〈近接攻撃〉内でそれぞれ各分類毎に〈近接攻撃:基本武器類〉〈近接攻撃:長柄武器類〉のように細分化され、それぞれの武器分類に則した技能を使用して戦う。
〈近接攻撃:基本武器類〉の技能値が50、〈近接攻撃:長柄武器類〉の技能値が35のキャラクターは、基本武器類である「片手武器」で攻撃する際には50%の確率で命中させられるが、「スピア」で攻撃する際には35%の命中率ということになる。
また、上記のキャラクターが「片手武器」も「スピア」も失った状態で、専門の技能を成長させていない「両手用ウォーハンマー」で戦う場合には、命中判定を【武器技術度】で行い、武器の特質「損傷」「痛打」は専門の技能を有していないため反映させられないが、難点の「鈍重」は反映されてしまう。
その武器の特質を活かすには専門分野の技能が必要である。
また、いくつかの特殊ルールのある近接武器もある。
特殊ルールのある近接武器
- 騎兵用武器
騎兵用武器類は騎乗時に使用することが想定されているため、データは騎乗時のものである。
騎乗せずに騎兵用武器類を使用する場合には、「両手用武器類」の分類として扱う。
- フレイル類
〈近接攻撃:フレイル類〉を成長させていないキャラクターがこの分類の武器を扱う場合には、通常通り「特質」の効果は無く、その上で「危険性」の難点が加えられる。
- 受け流し用武器
「防御用」特性の武器は〈近接攻撃:受け流し用武器類〉のテストに使用できる。
この分類の武器は「逆手」に持って使用することが想定されているため、この特性以外の武器を「逆手」に持って戦う際のペナルティ-20を受けずに判定することができる。
武器の間合い
武器データにはそれぞれの武器の形状や大きさに合わせて「間合い」があり、下記の順で間合いが大きくなる。
- 接触:キック、パンチ、ヘッドバッドなど、いわゆる格闘武器。
↓
- 極単:ダガーやナイフなど、1フィート(約30㎝未満)の武器。
↓
- 短:武器表ではソード・ブレイカーのみだが、2フィート(約60㎝)までの武器。
↓
- 中:片手武器、フレイルなど、3フィート(約90㎝)までの武器。
↓
- 長:バスタード・ソード、クォーター・スタッフなど最大6フィート(180㎝)までの武器
↓
- 極長:ランス、スピアなど、最大10フィート(約3メートル)までの武器で、通常のマス目の隣接状態ではなく、1マス離れた4ヤード(2マス)先の敵と交戦できる。
↓
- 超極長:パイクなど、10フィート(約3メートル)を超える長さの武器で、通常のマス目の隣接状態ではなく、2マス離れた6ヤード(3マス)先の敵と交戦できる。
【選択ルール】
武器の長さ
対戦する両者で武器の長さが違う場合、短い方が-10のペナルティを受ける。
肉薄戦闘
相手の武器の間合いの内側に入るために「アクション」として、対抗〈近接攻撃〉テストを行える。
勝利した場合、通常通りに戦闘を継続するか、「肉薄戦闘」として長さが「短」よりも長い武器を「代用武器」とみなして武器の威力を弱めてから戦闘を継続するか選択できる。
遠隔武器
遠隔武器は上級技能なので、近接武器のように不利を覚悟で専門分野を成長させていない武器を能力値のみで命中させることはできない(一部例外を除いて)。
弓を扱うには〈遠隔攻撃:弓類〉を最低1点は成長させていないと扱えないし、この技能を成長させたからといってスリング(投石武器類)やラッパ銃(黒色火薬武器類)を撃つことは出来ない。
ただし、いくつか例外がある。
遠隔武器の例外
- 黒色火薬武器類と爆破武器類
〈遠隔攻撃:技師用武器類〉技能を持つキャラクターは、「黒色火薬武器類」「爆破武器類」をペナルティ無しで使用できる。
- クロスボウ類と投擲武器類
「クロスボウ類」と「投擲武器類」は扱いが比較的簡単なため、〈遠隔攻撃:クロスボウ類〉〈遠隔攻撃:投擲武器類〉の技能を成長させていなくても、【射撃技術度】能力値でクロスボウの射出や武器の投擲は可能である。
しかし、その際には「近接武器」同様にその武器の「特性」は無効となり「難点」のみが活かされるルールが適用される。
- 技師用武器類
技師用武器類は〈遠隔攻撃:黒色火薬武器〉を持つキャラクターも扱うことができる。
ただし、その武器の「特性」は無効となり「難点」のみが活かされるルールが適用される。
遠隔武器の射程
遠隔武器のリストには、「中射程」の数値がヤード表記されている。
射程は「至近距離」「単射程」「中射程」「長射程」「最大射程」の5つに分類され、「中射程」を基準に距離とテスト難易度が変化する。
・至近距離…射程の10分の1の距離、テスト難易度は「容易」+40
・短射程…射程の2分の1の距離、テスト難易度は「普通」+20
・中射程…射程そのままの距離、テスト難易度は「手強い」±0
・長射程…射程の2倍の距離、テスト難易度は「難しい」-10
・最大射程…射程の3倍の距離、テスト難易度は「超多難」-30 (難易度は「多難」ではないので注意)
武器の特性と難点
近接武器にも遠隔武器にも、その形状や大きさ、機構によって「特性」や「難点」があり、それぞれが武器の個性を形成している。
複数の「特性」や「難点」が組み合わさっている武器もあり、自身のキャラクターの持つ武器を吟味する楽しみを一層掻き立ててくれる。
それぞれ個別の「特性」と「難点」を解説していく。
特性(ルルブP.297~298)
攪乱
鞭のような性質と危険性で相手を後退させることができる。
「攪乱」特性の武器で攻撃に成功した場合、相手にダメージを与える代わりに、勝利した対抗テストのSL+1毎に1ヤードの後退を強制できる。
絡みつき
「絡みつき」特性の武器を命中させたなら、相手に「組みつかれた状態1」を与える。
この「組みつかれた状態1」をとり除くには、対抗【筋力】テストで勝利するしかない。
一方、「絡みつき」特性の武器を命中させた方は、この武器が絡みついている間は他の使い方はできないが、いつでも「組みつかれた状態」を終了させることができる。
頑丈
この特性の武器は強靭な素材で作られているか、精巧な作りがなされている。
「頑丈」特性の武器は、破壊、腐食、刃の欠損などを起こすことがない。
貫通
「貫通」特性の武器や矢弾は、相手の鎧を貫き通す。
ソフト・レザー及び、ボイルド・レザー製の非金属製鎧のAPは一切無視される。
メイル製、プレート製の金属製鎧においては、1ポイントのAPが無視される。
高精度
「高精度」特性の武器を用いて成功したテストには、SL+1のボーナスが付く。
黒色火薬
轟く銃声と噴き上がる黒煙は恐怖や混乱を引き起こす。
「黒色火薬」武器の目標となった者は、たとえ射撃が外れたとしても普通+20〈冷静さ〉テストに成功しなければ、「戦意喪失状態1」を得ることになる。
シールド(等級)
「シールド」特性のある武器(盾は武器扱い)で敵の攻撃を防ぐ際の対抗テストを行う場合、君は全身全ての部位に盾の等級と同等のAPを持つとみなされる。
また、盾の等級が2~3の場合、君の視線が通る位置の敵が放つ矢弾を防ぐために敵の射撃に対する対抗テストを行うこともできる。
※盾の扱いは「シールド」「防御用」特性、「非致傷」難点、「逆手ペナルティ」などのルールが絡み合い複雑なので、「盾ルールまとめ」として後述する。
衝撃
「衝撃」特性の武器が命中した場合、命中判定時に使用したダイスの一の位の出目の数値をダメージに加える!
ただし「非致傷」特性の武器に「衝撃」特性が付くことはなく、何らかの理由で「衝撃」特性を持つ武器が「非致傷」武器扱いになった場合など、「非致傷」特性が優先され、「衝撃」特性は消されてしまう。
素早い
「素早い」特性の武器で攻撃する際、通常のイニシアチブ順以外に任意の手番で余分に一度攻撃を繰り出すことができる。
つまり、通常の攻撃に加えてフリー攻撃1回のボーナスが付く。
この「素早い」特性の武器を使った攻撃に対して対抗する武器に「素早い」特性が無い場合は、-10のペナルティが与えられる。
つまり、レイピアの攻撃に対して片手武器で対抗する場合には、片手武器側に-10ペナルティが付く。
また、「素早い」特性武器の使い手同士の戦いでは通常通りのイニシアチブで処理される。
「素早い」特性と「鈍重」の難点が1つ武器に同居することはなく、「鈍重」難点の方が優先される。
正確
「正確」特性の武器は命中率が優れている。
この武器の射撃に伴うあらゆるテストに+10ボーナスが得られる。
切断
「切断」特性の武器での攻撃が命中すると通常のダメージ以外に、その部位を護る盾や鎧のAPにも1点のダメージを与える。
損傷
「損傷」特性の命中し、ダメージを算出する際、通常通りSLをダメージに加えるのか、それとも命中判定ダイスの出目の一の位の数値をダメージに加えるのか選択することができる。
ただし「非致傷」特性の武器に「損傷」特性が付くことはなく、何らかの理由で「損傷」特性を持つ武器が「非致傷」武器扱いになった場合など、「非致傷」特性が優先され、「損傷」特性は消されてしまう。
痛打
「痛打」特性の武器で相手の頭部に命中を与えた場合、攻撃者【筋力】vs対戦者〈肉体抵抗〉の対抗テストを行い、〈肉体抵抗〉テストに失敗した対戦者は「朦朧状態1」を得る。
突き刺し
「突き刺し」特性を持つ武器は一撃で相手を屠る可能性を秘めている。
この武器で命中判定に成功した上で、ダイスの出目がゾロ目か10で割り切れる数字の場合、クリティカル・ヒットとなる。
つまり、クリティカル・ヒット(致命傷)を与える確率が高いということだ。
この特性を持つ武器が遠隔武器である場合、射出された矢弾は体内に残る。
矢とボルトを取り除くためには手強い±0〈治癒〉テストに成功しなければならない。
また、弾丸の摘出には《手術》異能を持つ外科医の施術が必要となる。
トラップ・ブレード
この特性を持つ武器は相手の武器を無力化するために使用することを想定している。
刃を持つ武器からの攻撃を防御する際のロールがクリティカル・ヒットだった場合、通常のクリティカル・ヒットの代わりに武器を拘束することを選択できる。
武器を拘束する場合、対抗【筋力】テストを行い、先にクリティカル・ヒットをロールした時のSLを【筋力】テストに加える。
武器を拘束した側が対抗【筋力】テストで勝利した場合、相手は武器を落とし、敗北なら相手は次のラウンドも通常通りその武器で戦える。
さらに、テストに勝利した際のSLが+6SL以上の「超大成功」の場合、相手の武器は壊れるが「頑丈」特性の武器であれば壊れることはない。
爆風(等級)
攻撃された目標を中心に縦横斜めの「爆風」等級ヤード以内にいる全てのキャラクターは「成功レベル+武器ダメージ」を受け、その武器がもたらすあらゆる「状態」をも得ることになる。
爆風4の焼夷弾なら中心から縦横斜め2マスずつの25マスがその効果範囲となる。
ピストル
「ピストル」特性を持つ遠隔武器は、近接攻撃のために隣接した「交戦中」であっても攻撃に用いることができる。
防御用
「防御用」特性の武器は相手の攻撃を受け流すように設計されている。
相手の攻撃に対するこの特性の武器を用いた対抗〈近接攻撃:各種〉テストに+1SLのボーナスが付く。
この際、〈近接攻撃:受け流し武器類〉による受け流しであれば、逆手のペナルティを受けることなく対抗テストに臨むことができる。
盾、受け流し武器類に関しては片手持ち武器であるため逆手ルールが関与するが、クォーター・スタッフやバスタード・ソードなどの両手武器には逆手ルールは適用されないため、無視することができる。
※盾の扱いは「シールド」「防御用」特性、「非致傷」難点、「逆手ペナルティ」などのルールが絡み合い複雑なので、「盾ルールまとめ」として後述する。
巻き込み
「巻き込み」特性を持つ武器はフレイルのように受け流しが困難な形状である。
そのため、この特性を持つ武器の攻撃を受け流そうとする相手は、対抗〈近接攻撃:各種〉テストにおいて、-1SLのペナルティが課せられる。
連発式(等級)
「連発式」武器は(等級)に等しい数の弾丸が装填されているため、再装填の必要もなく連発できる。
ただし、弾丸を撃ち尽くした後には通常のルール通り再装填が必要となる。
難点(ルルブP.299)
危険性
通常の武器での攻撃のファンブルに加えて、失敗したテストの出目の一の位が9か0の場合にもファンブルが発生する。
ルルブP.160「やっちまった表」を参照し、自身を傷つけたかどうかロールすることになる。
低精度
「低精度」の武器は扱いが難しく、照準も定め難い。
この難点を持つ武器を使用した攻撃はSL-1のペナルティを受ける。
「低精度」難点を持つ武器が「高精度」特性を持つことはなく、いかなる場合も「低精度」が優先される。
再装填(等級)
この難点を持つ武器の装填には時間がかかる。
装填を完了させるためには、毎ラウンド継続〈遠隔攻撃:各種〉技能テストで等級に等しいSLを積み上げなければならない。
例えばクロスボウなら、〈遠隔攻撃:クロスボウ類〉か【射撃技術度】(ルルブP.297)テストしてSL1以上で装填完了となる。
何らかの邪魔が入ったりして装填作業の継続テストが途中で中断した場合は最初から装填をやり直しすることになる。
鈍重
「鈍重」難点の武器で戦う者は、イニシアチブ順に関わらず、常にラウンドの最後に行動することとなる。
加えて、この武器の攻撃を防御する際のテストには+1SLのボーナスがつく。
疲労
「疲労」難点の武器が持つ「衝撃」と「損傷」の特性の恩恵を受けられるのは、「突撃」を行ったターンの間のみということになる。
非致傷
この難点を持つ武器は威力に欠けるため、命中した相手の部位のAPは2倍とし、攻撃が命中すれば最低でも1点のダメージを通せるというルールも適用されない。
盾ルールまとめ
- 自PCに対する敵の〈近接攻撃〉に対して、〈近接攻撃:基本武器〉or〈近接攻撃:受け流し〉のどちらで対抗するか選択できる。
〈近接攻撃:基本武器〉の場合 :対抗〈近接攻撃〉テストに+1SL、逆手ペナルティ-20。 テストの成否に関わらず、全身に等級分のAP。
〈近接攻撃:受け流し〉の場合 :〈近接攻撃:基本武器〉時の+1SLとAPのプラス面はそのままに、逆手ペナルティ-20が消えるので、盾をより有効に使用できるようになる。
- 敵の遠隔攻撃に対して、自PCの視線が通る場合、等級2以上の盾は矢弾を防ぐための対抗テストを行える。
- 盾での攻撃は「非致傷」なので、敵のAPは2倍、命中すればダメージ1点は通るルールも適用されない。
- 盾は使用(装備)しているだけで、利き手で持った武器での対抗テストにも+1SLを付与してくれる。 つまり、盾で敵の攻撃を受ければ-20ペナだが、利き手の武器で受ければ盾の恩恵+1SLをペナルティ無しで受けられる。
鎧(ルルブP.299)
鎧の損傷
戦士にとって鎧の傷は勲章のようなものだ。ただし、あまりにも打たれ過ぎると鎧も損傷する。
鎧が損傷する要因には2つある。
・「呪文」や「異能」など特別な能力によって
・致命的負傷を鎧が受け止めたことによって
これらの要因で鎧はAPに1点ずつダメージを負い、APが0になった部位は鎧として機能しなくなる。
致命的負傷を鎧が受け止める
鎧を着けた部位に致命的負傷(クリティカル・ヒット)を受けた場合、その部位の鎧のAPを1点削ることで「致命的負傷」の効果を無視することができる。
ただし、ダメージはそのまま算出される。
鎧のある部位に致命的負傷を受けたキャラクターは鎧のAPを削らず、そのまま「致命的負傷」の効果を受け入れることも選択できる。
鎧の修復
鎧の修復には基本的に「失われたAP(部位ごと)×鎧の価格の10%」の費用がかかる。
また、完全に破壊されている部分の修理には上記の計算式の10%の部分が30%になり、それなりの時間も必要となる。
キャラクターが〈職能:鎧鍛冶〉〈職能:革なめし職人〉などの職能と必要な道具、プレートの場合は工房などが揃っていれば自分で修復することもできる。
鎧の特性
堅固
この特性の鎧は並大抵の攻撃では貫けないため、11や33など「奇数のゾロ目」によるクリティカル・ヒットは全て無視される。
柔靭
「柔靭」特性の鎧は、「柔靭」特性を持たない鎧の下に重ね着できる。
メイルシャツ×ブレストプレートで胴体に4APというふうに。
鎧の難点
弱点
この弱点を持つ鎧は隙間があるため、「貫通」特性を持つ武器による攻撃でクリティカル・ヒットを受けた場合、この鎧のAPは無視される。
部分的
この弱点を持つ鎧は部位全体を保護しきれていない。
相手の攻撃命中時のロールが「偶数」の場合とクリティカル・ヒットの場合には、この部分のAPは無視する。
鎧の重ね着
また、ソフト・レザー製の鎧は他の鎧の下にペナルティ無しで着用できるため、「柔靭」特性のメイルシャツの下にレザー・ジャーキンを着て、ブレストプレート装着で胴体に最大5APまで着こむことができる。
武器・鎧以外のアイテム
冒険に赴くには武器や鎧以外にも、ロープやランタン、野宿のためのテントなどさまざまなアイテムが必要となる。
また、キャリアパスに載っているアイテムがルールブックP.288以降のアイテム表などに載っていない場合もある。
その場合、ルールブックP.288以降のアイテム表から、参考までに「これくら!」の判断として、ルールブックのアイテムから近いものを代用するか、ウォーハンマーFRP2版のアイテムサプリ「オールド・ワールドの武器庫(OWA)」から引用して解説する。
その際には、2版の価格を掲載するが、2版と4版では物価が違うので、GMの調整が必要となる。
キャリアパスアイテム
薬剤師見習い(ルルブP.53)
書物(白紙)…ノートの意味合いが強いと思われるため、形を揃えた羊皮紙を数枚~数十枚束ねたものだと判断している。
弁護士(ルルブP.55)
法廷用ローブ…ローブで代用。
修道士(ルルブP.56)
聖遺物…「OWA」P.74、聖遺物は10GC以上「希少」。死亡した聖人の残骸かその聖人と密接に関わりのあった物品だ。例えば骨、衣服の切れ端、装身具などで、どのような物でどんな大きさか重さかなどは、GMが決定する。
医者見習い(ルルブP.57)
包帯の束…ルルブP.308に包帯があるので、2d10本くらいの包帯が妥当と判断。
研究員(ルルブP.59)
石膏板…ルルブ、サプリどこにも載っていない。石膏版に木炭などで簡単に書き消ししやすいため、ノート代わりに使用したのか? GMの判断に委ねる。
大衆指導者(ルルブP.61)
印刷機…ルルブ、サプリどこにも載っていない。活版印刷機と思われ、設置するには工房のような部屋が1部屋必要だろう。
見習い芸術家(ルルブP.70)
ブラシ…「OWA」P.64にブラシの記載がある。通常は馬毛で2GCとあり、アラビィのラクダの毛で作られたものはもっと高いようだ。ハケや筆という扱い。ルルブP.303絵筆でもいいのではないだろうか?
徴税人(ルルブP.77)
鍵付きの小さな箱…「OWA」P.57の櫃、箱の小型が一番近いと思われる。2GCとあるが鍵付きなのでもう少し高くなるだろう。
似非魔術師見習い(ルルブP.78)
幸運のお守り…普通のお守りは、衣服と装飾品のところに記載がある。幸運のお守りについては「OWA」P.74に記載。15GC。1回に1度しか使用できないが、テストを1度再ロールするか、自身に命中した攻撃をダメージロール前であれば1回無視できるというもの。2版では高価ではあるが入手可能度は「平均的」で一般的な物。4版でどのように扱うかはGMの判断次第。少し強力すぎる気もするので、同ページの「魔除けと護符」での代用でもののでは?とも思う。
賞金稼ぎ(ルルブP.85)
ネット…捕縛武器類の「投げ縄」と同様に処理するのが妥当か?
悔悟者(ルルブP.88)
聖遺物…「OWA」P.74、聖遺物は10GC以上「希少」。死亡した聖人の残骸かその聖人と密接に関わりのあった物品だ。例えば骨、衣服の切れ端、装身具などで、どのような物でどんな大きさか重さかなどは、GMが決定する。
伝書(ルルブP.89)
巻物入れ…文書筒で代用。
尋問者(ルルブP.92)
拷問道具…職能道具で代用。
河川の民(ルルブP.96)
釣り竿と釣り餌…竿と釣り針のセットで代用。
船乗り(ルルブP.97)
ブラシ…見習い芸術家のブラシとは別物だろう。デッキブラシを代用か?
故買人(ルルブP.103)
眼鏡…拡大鏡で代用。
邪術師(ルルブP.108)
幸運のお守り…普通のお守りは、衣服と装飾品のところに記載がある。幸運のお守りについては「OWA」P.74に記載。15GC。1回に1度しか使用できないが、テストを1度再ロールするか、自身に命中した攻撃をダメージロール前であれば1回無視できるというもの。2版では高価ではあるが入手可能度は「平均的」で一般的な物。4版でどのように扱うかはGMの判断次第。少し強力すぎる気もするので、同ページの「魔除けと護符」での代用でもののでは?とも思う。
騎兵(ルルブP.109)
飾り帯…制服で代用か?
筆頭騎士(ルルブP.111)
馬用の鎧…「OWA」P.82「バーディング」参照。2版と4版の物価の違いや荷重点をGMは考慮する。
殺し屋(ルルブP.113)
ギャロット…絞殺具で、革紐やロープなど紐状の物ならなんでもいい。「OWA」P.31「ガロット」参照。相手に「組みついた状態」の時にボーナスを与えるか? GM判断。
司祭隊長(ルルブP.116)
聖遺物…「OWA」P.74、聖遺物は10GC以上「希少」。死亡した聖人の残骸かその聖人と密接に関わりのあった物品だ。例えば骨、衣服の切れ端、装身具などで、どのような物でどんな大きさか重さかなどは、GMが決定する。
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